医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)は、新資格試験制度「医療情報システム監査人試験制度」の資格認定試験を開始する。同試験は、医療情報システムの運用や開発に携わるICT分野の技術者向けに「安全管理に関する監査人としての知識やスキル」を評価する試験である。第1回の試験の実施は2011年5月22日。

 MEDIS-DCでは、同試験制度創設の背景として、近年ICTの活用によって医療情報システムが「医療従事者が主として利用するシステム」から、患者本人が電子化された自分の医療情報を積極的に活用できる「国民が主体的に医療情報を活用するシステム」へと変ぼうしつつあることを挙げている。

 こうした形で患者本人にとっての利便性が高まることは、一方で情報漏えいなどのリスクが飛躍的に高まることにつながりかねない。このため、医療情報システムを安全に管理運営するのに必要な知識を持った監査人が不可欠になるというわけだ。

 試験では、医療情報システムの監査に必要となる技術や法律などに関する知識をペーパー方式で評価する。問題形式は多肢選択式で、(1)医療情報に関する知識、(2)監査に関する知識、(3)医療情報システムの安全管理に関する知識(法律、ガイドライン)---の3科目それぞれについて、設問数40問の試験を50分の試験時間で実施する。

 第1回試験の応募期間は2月23日から4月11日まで。受験料は9000円で、試験会場は東京文京区周辺を予定している。受験を希望する人は、MEDIS-DCのWebページから願書をダウンロードして申し込む。なお、本試験は、原則として春季と秋季(5月と11月の第4日曜日)の毎年2回実施する予定となっている。