日本板硝子は2011年2月25日、「国際会計基準(IFRS)適用準備について」という資料を公開した。同社は12年3月期からIFRSの任意適用を表明している(関連記事:日本板硝子が2012年3月期からのIFRS早期適用を表明)。

 今回、日本板硝子が公表した資料は、財務諸表にIFRSを適用した場合の財務数値への影響を解説している。同社は資料を公表した理由を、「IFRSの任意適用を表明した際に、貸借対照表と損益計算書について定量的な影響がはっきりと分かった時点で公表するとしていたため」と説明する。

 日本板硝子の資料は、(1)適用のタイムテーブル、(2)2010年3月31日時点のIFRSを適用した開始貸借対照表、(3)2011年3月期通期業績予想へのIFRS適用の影響、(4)2010年11月4日に公表した戦略的経営計画(SMP)へのIFRS適用の影響、で構成する。計44枚のプレゼンテーション資料を使って説明している。日本語と英語の音声付きのプレゼンテーションも用意した。

 (1)については12年3月期からIFRSの任意適用を開始するため、12年3月期の第1四半期の財務諸表から前年同期比を含めてIFRSに基づいて開示する。金融庁は財務諸表を比較するための期間として、任意適用の前年度はIFRSと日本基準(J-GAAP)の両方に基づいた財務諸表の開示を求めている。日本板硝子の場合、10年4月1日から始まる11年3月期が比較期間となる。

 日本板硝子は12年3月期からIFRSを適用するので、IFRSへの移行日は10年3月31日となる。そこで(2)では、同日時点の貸借対照表を「開始貸借対照表」としてIFRSに基づいて公表している。

 (2)では加えて、開始貸借対照表について日本基準(J-GAAP)とIFRSに基づいたそれぞれの数値、J-GAAPからIFRSに組み替える際の調整で発生した数値を公表している。重要な項目について、どのような理由で差異が発生したのかも詳細に説明している。