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 中国国営の新華社通信は、中国China Mobile(中国移動)との共同事業による検索サービス「Panguso(盤古捜索)」を開始したことを、同社ニュースサイト「Xinhuanet(新華網)」で現地時間2011年2月22日に報じた。ニュースのほか、Webサイト、画像、ビデオ、オーディオなどを検索することが可能。

 Pangusoは、新華社の広範なニュースおよび情報の収集力と、China Mobileの技術や運用原理、インフラなどを持ち寄る。モバイルにも対応させる計画で、パソコンで検索を実行し、検索結果をSMS(ショート・メッセージング・サービス)で携帯電話に送れるようにする。

 当初は新華社が得意とするニュースコンテンツの検索に焦点を当て、将来的には、より幅広い情報を対象にした検索の強化を図る。新華社はすてべのニュースアーカイブへのアクセスをPangusoに提供する。

 新華社によると、中国インターネットユーザーは現在4万5700万人で、検索エンジンは必要不可欠なサービスになっている。新華社社長のLi Congjun氏は、Pangusoが中国主要検索エンジンの1つとなり、国際市場をリードするようになることを期待していると語った。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、新華社とChina Mobileは、米Googleが中国政府との対立で中国から撤退した後、昨年8月に協業を発表した。中国では、検索エンジンは政府が閲覧を禁止している国外サイトを検索結果から除外することを求められているが、Pangusoは他の検索エンジンより厳しい制約を行っていると、同メディアは指摘している。例えば、民主活動家Liu Xiaobo氏の名前で検索を行った場合、中国大手検索エンジン「Baidu(百度)」では同氏を批判する中国語のコメントへのリンクが検索結果に表示されるが、Pangusoでは何の情報も返されないという。