写真●まほろば工房の中小規模向けIP-PBX「MAHO-PBX」
写真●まほろば工房の中小規模向けIP-PBX「MAHO-PBX」
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 まほろば工房は2011年2月22日、オープンソースのPBX(Private Branch eXchange、構内交換機)ソフトである「Asterisk」をベースにしたIP電話対応PBX(IP-PBX)「MAHO-PBX」(写真)の製品ラインアップを拡充し、中規模オフィス向けモデルや仮想化アプライアンス、音声自動応答装置(IVR:Interactive Voice Response)、パソコン用ダイヤラソフトなどを追加した。

 製品ラインアップの中核となるMAHO-PBXは、呼制御用プロトコルとしてSIP(Sesseion Initiation Protocol)を採用したIP-PBX。従来は小規模オフィス向け製品「MAHO-PBX Entry」のみを販売していたが、今回これに中規模オフィス向け製品「MAHO-PBX Enterprise」およびクラウド環境向けの仮想化アプライアンス版「MAHO-PBX Virtualized」の2モデルを追加した。上記製品版とは別に、個人および試用目的向けに機能を制限した「MAHO-PBX Personal」という無償の仮想化アプライアンスも用意している。

 IP-PBX本体以外では、自動音声応答装置「SmartIVR」や受付システム「MAHO-RCC」、パソコン用ダイヤラソフト「MAHO Dialer」などをラインアップに追加した。SmartIVRは、外線からの着信に対して音声メッセージで自動応答させたり、社内にある他の内線電話機に振り分け転送したりする機能を備えた装置。自動応答の条件などはWebブラウザを使って設定できる。応答に使う音声データもユーザーが自作可能となっている。

 MAHO-RCCは、企業の無人受付システムなどを構築するためのハードウエア。訪問者が受付用画面から担当者や座席を選ぶと、該当する内線電話機を直接呼び出して通話できるようにする仕組みを提供する。MAHO-RCCが、受付に設置したIP電話機と社内の該当するIP電話機をSIPで同時に呼び出すことで実現する。SIPに対応していれば、電話機やソフトフォンなど機種や形態を問わず同装置から呼び出し可能だという。受付画面はHTMLベースになっており、ユーザーが自由にカスタマイズできる。

 MAHO Dialerは、パソコンからIP電話システムを活用するためのユーティリティソフト。検索性に優れたパソコンの電話帳から通話相手を探して発信し、実際の通話にはIP電話機のハンドセットを使うといった連携を実現できる。IP電話の着信時に、発信者の電話番号や名前をパソコン上でポップアップ表示する機能なども搭載している。

 周辺装置を含めて価格はすべてオープンだが、接続可能な端末数が18台までのMAHO-PBX Entryを用いた最小構成の場合で10万~20万円程度、同450台までのMAHO-PBX Enterpriseを用いた最小構成の場合で50万~100万円程度になるという。