ピットタッチ・ミニ S
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ピットタッチ・プロ
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 ビー・ユー・ジー(BUG)は2011年2月23日、FeliCaリーダーを非対応スマートフォンで使う技術「スマート・サウンド・タッチ」を開発したと発表した。スマートフォンでアプリを起動しておけば、音声通信によりポイントやクーポンを利用できる。この技術に対応したFeliCaリーダー/ライターを2011年4月以降順次発売する。

 動作原理は以下のとおり。iPhoneやAndroidスマートフォンであらかじめスマート・サウンド・タッチ対応アプリを起動しておく。そのスマートフォンをスマート・サウンド・タッチ対応のFeliCaリーダーにかざすと、FeliCaリーダーが近接センサーにより感知、FeliCa非搭載を検知して音声を発する。発せられた音声をスマートフォンのアプリが認識し埋め込まれたデータを解析、設定された接続先にアクセスして、暗号化された端末情報などを送信する。これによりポイントを加算したり、クーポンを適用したりすることができる。「FeliCa対応の携帯電話、スマートフォンと、非対応のスマートフォンを1台のリーダーで扱うことができる」(BUG)。

 対応FeliCaリーダーとしては、スタンドアロン型の「ピットタッチ・ミニ S」を2011年4月1日から、リーダーライターとしてはネットワーク対応型で4.3インチの液晶画面を備えた「ピットタッチ・プロ」を2011年6月末から出荷する予定。「ピットタッチ・プロ」では、サーバーから発行されるPINコードやリーダーの位置情報、時刻、サーバーが生成するユーザIDでリーダーとスマートフォン間の認証を行い、ポイント数などを管理できる。想定価格はピットタッチ・ミニ Sは3万6000円、ピットタッチ・プロは7万8000円。

 「スマート・サウンド・タッチ」対応アプリを開発するには、サービス事業者がBUGと「SSTフレームワーク契約」を結ぶ必要がある。費用はリーダーの台数などにより年間30万~50万円程度。

 ただしBUGでは、位置情報サービスやソーシャルサービスなど、対応リーダーを購入しない開発者でもスマート・サウンド・タッチを利用したアプリを開発できるようなライセンスを設定する方針だ。例えばmixiは、近距離無線通信NFC(Near Field Communication)を利用したサービスを開始した。店頭のNFC付きPOP広告にAndroidスマートフォンをかざしてmixiチェックやmixiチェックインを利用することが可能になるという。スマート・サウンド・タッチでもこのようなサービスが実現できる可能性があるが、そのためには開発者が情報やライブラリに容易にアクセスできるようにする必要がある。BUGでは「普及することが重要であり、開発者が使いやすいライセンスを検討していきたい」としている。