中国大手ECサイトのAlibaba.com(阿里巴巴)は現地時間2011年2月21日、同サイトを介した詐欺事件多発の責任を取る形で、同社最高経営責任者(CEO)のWei Zhe(David Wei)氏と最高執行責任者(COO)のLee Shi-Huei(Elvis Lee)氏が辞任したと発表した。

 両氏は同日辞表を提出し、取締役会はこれを受理した。新たなCEOには、グループ会社Tao Bao Holding(淘宝网)のCEOであるLu Zhaox(Jonathan Lu)氏が就任した。

 Alibaba.comでは、世界の買い手から詐欺被害の苦情が増えていた。2009年後半から始まり、2010年を通じて頻発した。主に、人気の高い商品を格安で販売するとして購入者をだますもので、被害額は平均1200ドル未満という。

 内部調査を実施したところ、ゴールドサプライヤー(China Gold Supplier)として2009年に登録した1219店と2010年に登録した1107店が購入者に対して不正を働いたことが分かった。なお同社はこれらサプライヤーの登録をすでに削除している。

 また、Alibaba.comの約100人の営業担当と多数の管理者が意図的に、あるいは怠慢から、これらサプライヤーが資格認証などをすり抜けるのを見逃していたことも判明した。Wei氏とLee氏は不正行為に直接関わっていないが、責任をとって辞任することを決断した。

[発表資料(PDF文書)]