米IBMは同社製コンピュータ「Watson」の医療分野に向けた研究開発と実用化に関して、音声認識技術の米Nuance Communicationsと協業すると米国時間2011年2月17日に発表した。Watsonは、2月14~16日の米テレビ番組で人間とのクイズ対決に挑み、皮肉や謎かけを含んだ複雑な出題やあいまいな質問にも正解して勝利した。
IBMとNuanceの協業では、高度な質問応答/自然言語処理/マシンラーニングといったIBMの技術と、Nuanceの音声認識技術や臨床言語理解システムを組み合わせる。1年半から2年以内に商用提供を始める計画という。
Watsonは、人間が話す言葉の意味や文脈を分析し、素早く情報を処理して、答えを導き出す。こうした能力を利用することにより、医師や看護師の見解および仮定を裏付ける重要な知識や事実を大量の情報から探し出し、意思決定を促進して、適切な診断と治療を支援できると両社は期待している。
今回発表した提携では、IBMとNuanceは複数年の研究に共同出資するほか、IBMはWatsonの技術をNuanceにライセンス供与する。また、米コロンビア大学メディカルセンターとメリーランド大学医学部も両社に協力し、Watsonの導入に適した医療実践や有効な活用方法を特定する。
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