図1 「縦読みスパム」の例(アビラの情報から引用)
図1 「縦読みスパム」の例(アビラの情報から引用)
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図2 「縦読みスパム」をOutlook 2010で表示させた例(アビラの情報から引用)
図2 「縦読みスパム」をOutlook 2010で表示させた例(アビラの情報から引用)
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 ドイツのセキュリティ企業アビラは2011年2月15日、新たなタイプの迷惑メール(スパム)が出回っているとして注意を呼びかけた。メールに書かれた英文を縦に読むと、「VIGRA(バイアグラ「VIAGRA」の誤り)」や「CIALIS(シアリス)」といった医薬品名が現れる。

 今回報告されたのは、英語で書かれたテキストメール(図1)。通常の英文のように、左から右に読むと意味不明だが、縦に読むと、迷惑メールで宣伝されることが多い医薬品名が現れる。

 いわゆる「縦読み」にしているのは、迷惑メールフィルター(迷惑メール対策製品)を回避するため。メール中にこれらの医薬品名をそのまま書くと、ほぼ確実に迷惑メールだと判定されるからだ。

 なお、一番左の列に現れる「VIGRA」は、VIAGRAの誤り。ただ、ユーザーの多くはVIGRAからVIAGRAを連想できるので、迷惑メールフィルターの回避率を高めるために、送信者がわざとAを抜かしている可能性がある。

 縦読み用に書いた英文の下には、それぞれの価格と、販売サイトのURLが書かれている。URLについても、文字の間にスペースを挿入し、迷惑メールフィルターに検出されないようにしている。

 テキストメールを表示する際のフォントや文字サイズは、メールソフトによって異なる。このため、医薬品名の表示のされ方もさまざまだ。先頭の「VIGRA」以外は、縦に並ばない場合がある。一方、アビラのスタッフがOutlook 2010で表示させたところ、3種類の医薬品名が“適切”に表示されたという(図2)。