写真●アーク情報システムの「BOOT革命/USB Memory Ver.3」
写真●アーク情報システムの「BOOT革命/USB Memory Ver.3」
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 アーク情報システムは2011年2月18日、Windows OSをUSBフラッシュメモリー(以下、USBメモリー)から起動できるようにするユーティリティソフトの新版「BOOT革命/USB Memory Ver.3」(写真)を発売した。3月11日から全国のパソコンショップなどで販売を始める。

 BOOT革命/USB Memoryは、ハードディスクの代わりにUSBメモリーなどにWindows OSをインストールし、システムを起動できるようにするソフトウエア。パソコン内蔵のOSが起動しないときの緊急利用や重要なデータの回収、アプリケーションの動作テストなどの目的で利用できる。USBメモリー以外に、SDカードやコンパクトフラッシュなどWindowsから「リムーバブルディスク」と認識されるタイプのデバイスなら同様に利用できる。

 新バージョンの目玉となる新機能が「Windows 7」への対応である。32ビット版と64ビット版の両方に対応する。ただし、インストールディスクからの新規インストールではなく、パソコンにある既存のWindows 7のシステムを丸ごとUSBメモリーにコピーして使うケースでは注意すべき点がある。それは、USBメモリーへの「セクター単位でのコピー」のみに対応しているという点だ。

 BOOT革命/USB MemoryをWindows XPなどWindows 7以外に使う場合、「ファイル単位でのコピー」が可能になっており、ユーザーが不要なファイルを削ってUSBメモリーの容量以内に収めることができる。だが、Windows 7ではこれができないため、USBメモリーの容量よりもシステムドライブのデータ容量が大きいと物理的にコピーできない。同社ではこの点について、事前に体験版などを使って自分の環境で動作可能なことを確認するよう勧めている。

「どこでも起動」で移動先パソコンでも利用可能に

 それ以外に、従来バージョンにはない目立った新機能として「どこでも起動」という機能がある。これは、作成したWindows入りのUSBメモリーを、コピー元のパソコンだけではなく他のパソコンからも起動できるようにするというもの。アーク情報システムによれば、会社と自宅、あるいはインターネットカフェなどで「常に自分専用のWindowsを使いたい」というユーザーの声に対応したものだという。

 どこでも起動機能は、Windows入りUSBメモリーを作成する際に、主要なチップセット関連およびネットワークドライバをダウンロードしてあらかじめコピーしておくことで実現している。接続先のパソコンが変わっても、それに合わせて適切なドライバをローカルから見つけて自動でインストールできるというわけだ。アーク情報システムによれば、Windows 7の場合は同機能を使わなくても標準のドライバで対応できるケースが多いが、Windows XPでは同機能がないと最近のパソコンではほぼまともに動作しないという。

 標準価格は、通常版が9660円、優待/アップグレード版が7728円、アカデミック版が7245円、ダウンロード版が7245円。優待/アップグレード版は、同社従来製品のユーザーのほか、本ソフトの「体験版を利用したユーザー」や「推奨する容量のUSBメモリーを持っているユーザー」など、幅広いユーザーが対象となる。体験版は、2月24日から同社Webページでダウンロード可能にする予定だという。

 動作環境は、対応OSがWindows XP(SP2以降)/Vista(SP1以降)/7の各日本語版、Windows 7のみ64ビット版に対応する。動作に当たっては管理者権限が必須。必要となるUSBメモリーの容量はOSによって異なり、Windows XPの場合は4Gバイト以上(8Gバイト以上を推奨)、Windows VistaおよびWindows 7(32ビット版)の場合は16Gバイト以上(32Gバイト以上を推奨)、Windows 7(64ビット版)の場合は32Gバイト以上となっている。