写真1●米foursquare Labsのデニス・クローリーCEO(左)とエヴァン・コーエン ジェネラルマネジャー
写真1●米foursquare Labsのデニス・クローリーCEO(左)とエヴァン・コーエン ジェネラルマネジャー
[画像のクリックで拡大表示]

 位置情報を利用したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「foursquare」を提供する米foursquare Labsは、2011年2月14~17日にバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011(MWC2011)」に合わせて、iPhone、Android、BlackBerry向けforsquareアプリの多国語化を発表した。英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語にも対応し、急ピッチで海外展開を進める。

 同社は展示ブースを設けなかったものの、カンファレンスで登壇するなど積極的にMWC2011にかかわった。同社CEOのデニス・クローリー氏とジェネラルマネジャーのエヴァン・コーエン氏(写真1)に、foursquareの現状や海外展開などについて聞いた。

ユーザー総数は。

 2月時点で650万超。そのうち40%が米国外のユーザーだ。2010年当初は10万ユーザーだったから、急激に増加したことになる。中でも米国外のユーザーが急増している。多国語化、海外展開を進める背景には、こうしたユーザー層の広がりがある。

他社のサービス、例えばFacebookにはチェックイン機能があり「友達」と位置情報を共有できる。違いは何か。

 Facebookとはコミュニティが違う。Facebookの友達が500人とか800人というユーザーも多いが、その中には会ったことがない“友達”も多数いるだろう。それにFacebookの友達には家族が入っていることもある。場所を知らせたいのは、こうした広いコミュニティに対してではなく、もっとクローズドな友達同士、限られた友達に対してだ。foursquareの友達はほとんど“ジャスト・リアル・フレンド”だ。

どうやって収益を得ているのか。

 特別な「バッジ」を広告主に対して売ることなどが挙げられる。例えは現在、Peopleマガジンやペプシなどのバッジがある(編集部注:foursquareはチェックイン状況などに応じてバッジを発行する。これがユーザーにとってチェックインの動機付けにもなっている)。われわれは、ユーザーがどこにいつ何回チェックインしたかを把握している。そうした情報をバッジ提供者と共有する。例えば、あるレストランがバッジを発行していれば、いつその店に何人がチェックインして、それは男性か女性か、その次にどこに行ったかといった情報を店のオーナーと共有する。

 将来の可能性としては位置連動広告も検討している。当面はバッジを発行してその店に対する忠誠度を高める方策をとったり、ユーザーの行動パターンなどの情報を店のオーナーと共有する、といったことをビジネスとして展開する。ただ、日本では独自のバッジを発行する店などは少ない。

米国外でのビジネス展開は。

 今回、日本語版アプリを出すことなどで、日本でもバッジ提供者などが増えると思う。ショップオーナーなどが自分でfoursquareのサービスをビジネスに活用するためのサイトを用意した。また日本ではKDDIと提携した(編集部注:Android搭載スマートフォン「IS04」「IS05」にfoursquareアプリのショートカットが追加される)。今後、こうした提携も増えるだろう。