写真●「エコネクトWi-Fi」の筐体
写真●「エコネクトWi-Fi」の筐体
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 クラストは日本インターネットプロバイダー協会が2011年2月18日に開催するイベント「JAIPAビジネスアライアンス」において、PicoCELAと共同で開発したモバイル型ルーター「エコネクトWi-Fi」を参考出展する(写真)。特徴は、WAN側の回線として、公衆無線LANを想定していること、およびWeb認証やPPPoE認証といった無線LAN接続に必要な認証を自動で行うことである。これらにより、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機といった無線LAN接続する機器を、公衆無線LANの接続先ごとに設定する必要がなくなる。

 公衆無線LANサービスはどの事業者が提供しているものでも利用できる。クラスト自身も公衆無線LANサービス「エコネクトWi-Fi」を提供しており、BBモバイルポイントやlivedoor Wireless、フレッツ・スポットを利用できる。公衆無線LANサービスは安価であるものの、場所を選ばず使えるほどエリアが広くはない。そこでクラストは今回を機に、2011年4月以降に独自のアクセスポイントを数万規模で設置する予定だという。

 エコネクトWi-Fiは、複数の接続先がある場合は電波が最も安定した接続先を選択する仕様になっている。また、アクセスポイントとして認識できているが、インターネットに接続できていない場合は、接続を遮断し電源を節約する仕組みになっている。また、USBポートとLANポートを備えている。これは3Gで接続するUSBドングル型データ通信端末、または固定回線のインターネットに接続しているLANケーブルを差し込むことで、スマートフォンなどを無線LAN接続できるようにするためである。例えば有線で接続するしかないビジネスホテルなどで、スマートフォンやゲーム機をインターネットに接続するという状況を想定している。

 販売は2011年3月で、価格は1万円台後半になる予定だという。クラスト 代表取締役社長の笹田亮氏は、「パソコンやスマートフォンなど無線LANで接続できる複数の機器を利用している、かつ月額5000円程度かけるのではなく、公衆無線LANサービスを使って数百円程度と安価に利用したい人に合うのでは」と説明する。販売窓口は家電量販店やクラストのWebサイトを予定している。