写真●「高信頼システム構築標準教科書」を手にするLPI-Japan 理事長 成井弦氏(左)と、執筆を担当したデージーネット代表取締役 恒川裕康氏(右)
写真●「高信頼システム構築標準教科書」を手にするLPI-Japan 理事長 成井弦氏(左)と、執筆を担当したデージーネット代表取締役 恒川裕康氏(右)
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写真●「高信頼システム構築標準教科書 - 仮想化と高可用性 -」の一部
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 エルピーアイジャパン(以下、LPI-Japan)は2011年2月15日、Linuxやオープンソースシステム(OSS)を学習する人向けの教材として、クラウド構築などに役立つ要素技術を習得できる「高信頼システム構築標準教科書 - 仮想化と高可用性 -」を無償で配布することを発表した。配布開始日時は2月16日午前9時。LPI-Japanの配布用ページからダウンロードできる。データ形式はpdfで、ページ数は合計262ページとなっている。

 高信頼システム構築標準教科書は、クラウドシステムの構築などミッションクリティカルなシステムの開発において、システムの高信頼性実現のために欠かせない要素技術である「仮想化」および「高可用性」をテーマとして取り扱っている。全12章で構成され、高信頼システムの概要(1章)から複数台のサーバーによる高信頼システムの設計例(3章)、データベースの冗長化(5章)、アクティブ・スタンバイクラスタによるシステムの構築(9章)、仮想サーバーの構築(第11および12章)など、基礎から実践的な内容までを1冊で学べる構成になっている。

 対象となる読者のレベルは「Linux/OSSの応用的なシステム構築の知識・技術(LPICレベル2相当)を持ち、Linux/OSSを使った高信頼システムあるいは仮想化環境を構築したい人」と設定している。LPI-Japanによれば、同教科書はクラウドエンジニアのスキルを認定する「LPICレベル3 304試験(LPI-304 Virtualization & High Availability Exam)」の学習にも役立つという。

 教科書の開発および無償配布の背景についてLPI-Japanでは、「大手ITベンダーをはじめとする多くの企業からの、『Linux/OSSを使った高信頼システムを構築するための実践的なガイドブックが欲しい』という要望に応えて開発した」(LPI-Japan 理事長 成井弦氏)と話す。

 LPI-Japanではこれまで「Linux標準教科書」、「Linuxサーバー構築標準教科書」を無償公開しており、それぞれ約15万件と約10万件のダウンロードがあったという。またこれらは35の教育機関で実際の授業に利用されおり、LPI-Japanでは今回の「高信頼システム構築標準教科書」も授業で使用できるとしている。