「Medfield」の試作チップを手にするAnand Chandrasekher氏。右手(写真左側)に持つのがMedfield,左手に持つのが現行品である
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Intel Mobile Communicationsによる移動通信用チップセットの出荷状況
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Intel社が今回発表した,スマートフォンなどに向けた構成要素
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 米Intel Corp.は,携帯機器向けプロセサ「Atom」シリーズの次世代品である「Medfield」(開発コード名)のサンプル出荷を開始したことを明らかにした。また,ドイツInfineon Technologies AGの無線通信部門を買収して営業を開始したIntel Mobile Communicationsが,LTEおよび3G,2Gに対応するチップセットのサンプル出荷を2011年後半に開始することを発表した。

 Medfieldは,スマートフォンなどの小型の端末に向けてIntel社が開発中のプロセサである。32nm世代の技術で製造する。「Mobile World Congress 2011」(2011年2月14~17日)の会期中に開催したプレス・カンファレンスにおいてIntel社 Senior Vice President, General Manager, Ultra Mobility GroupのAnand Chandrasekher氏は,「アイドル状態のリーク電力を減らす取り組みは,どの半導体メーカーも大差ない。Medfieldの強みとなるのは,高い処理性能だ。必要な処理を短時間で終わらせてすぐにアイドル状態に戻れる方が,ユーザーの利用シナリオ全体における消費電力は低くなる」との見方を示した。現在,一部の顧客に限定してサンプル品を出荷しているが,動作周波数などの具体的な仕様や,製品化の時期は未公表である。

 Intel Mobile Communications(以下,IMC)が2011年後半にサンプル出荷を開始するLTE対応のチップセットは,ベースバンド処理LSIとRFトランシーバICを組み合わせたものである。2012年の後半に量産出荷を始める。またIMCは,下り最大21Mビット/秒,上り最大11.5Mビット/秒のHSPA+に対応したチップセットを出荷したことを明らかにした。数値は明らかにしていないが,競合品に比べて消費電力が低く,実装面積が小さいことが特徴だとする。