写真1●WACのCEOに加えて、メンバーであるAT&TやKT、エリクソンのトップなどが出席したWACのカンファレンス
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写真2●WACの商用サービス開始の概要
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写真3●WAC仕様の今後のロードマップ
写真3●WAC仕様の今後のロードマップ
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写真4●WAC 2.0を使った富士通のデモ
写真4●WAC 2.0を使った富士通のデモ
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 世界の主要携帯電話事業者のほとんどが参加する、モバイル向けアプリケーションの共通化団体「Wholesale Applications Community」(WAC)は現地時間2011年2月14日、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2011」で会見を開き、WACの商用サービスを開始すると発表した(写真1)。

 WACには米AT&Tや中国移動、英ボーダフォン、韓国KT、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルなど世界の主要携帯電話事業者が参加し、昨年開催のMobile World Congress 2010で立ち上げた(関連記事)。端末とサービス、ネットワーク間のAPIを規定し、Widgetのような形でOSに依存しないアプリケーション仕様を策定している。WACは米アップルのAppStoreや米グーグルのAndroid Marketなどに対する携帯電話事業者からの対抗策という意味合いが強く、2010年7月には同様の取り組みを進めていた中国移動とソフトバンク、ボーダフォンによる団体「JIL」(Joint Innovation Lab)との統合も完了(関連記事)。参加メンバーは68団体に拡大し、名実ともに携帯電話事業者による一大連合となった。

 発足から1年を迎えたこの日の記者会見では、WACの商用開始がアナウンスされた。まずはスウェーデンのエリクソンがノルウェーの携帯電話事業者テレノア向けに、WAC仕様のアプリケーションの配信ストアをクラウドベースで提供する。また2011年内に、ボーダフォン、米ベライゾン・ワイヤレス、AT&T、テレノア、オレンジ、中国移動など8事業者が“WACストア”を開始予定で、WAC仕様のアプリケーションはゲームやSNSなど1万2000程度でスタートするという(写真2)。

 WAC仕様の今後のロードマップも示された。まずHTML5に対応したWAC 2.0を2011年2月に公開。2011年9月には、HTML5とネットワークAPIを装備したWAC 3.0をリリース予定という(写真3)。

 MWCの会場内には、WACの取り組みを紹介する専門ブースもあった。ここで富士通が、WAC 2.0に対応したアプリケーションのデモをしている。富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製のAndroid端末「REGZA Phone T-01C」をベースにした端末を使い、HTML5を使ったネットワーク経由のWACアプリケーションを利用することで、1台の端末で撮影した映像が同じアプリケーションを立ち上げた他の端末で共有される様子を確認できた(写真4)。