写真1●米ベライゾン・ワイヤレスが実施した「VoLTE」のデモ。MWCでのこうした同社のアピールは、VoLTEに早期に移行する仲間を作りたいからという
写真1●米ベライゾン・ワイヤレスが実施した「VoLTE」のデモ。MWCでのこうした同社のアピールは、VoLTEに早期に移行する仲間を作りたいからという
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写真2●同じインタフェースを使ってテレビ電話の送受信も可能
写真2●同じインタフェースを使ってテレビ電話の送受信も可能
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 2010年12月にLTEの商用サービスを開始した米国の携帯電話事業者、米ベライゾン・ワイヤレス。3G時代はCDMA2000方式を採用していたため、GSM系事業者の牙城であるMobile World Congress(MWC)とは縁が遠かった。しかしLTEの採用によってMWCに急接近。2011年2月14日から始まったMWC 2011にはブースまで出展している。そんなベライゾンのブースでは、様々な端末によるLTEのライブデモに加えて、LTEを使ったフルIPによる音声通話「VoLTE」(Voice over LTE)を体験できる。

 デモでは、ベライゾンが3月に発売予定というLTE対応のAndroid端末「LG Revolution」(韓国LGエレクトロニクス製)を利用。LTE経由のVoIPによる発信のほか(写真1)、テレビ電話のデモも実施している(写真2)。実際に音声通話を試してみたが、音質は通常の携帯電話よりクリアで、モバイルIP電話で発生しやすい遅延もほとんど気にならないレベルだった。なお音声コーデックはAMR-WB、映像コーデックはH.264を採用しているという。

 LTEは3G網で利用する回線交換網を持たないため、すべてのサービスをパケット網で処理する。音声サービスも最終的には今回のデモのようなVoLTEとして、IP経由で提供するコンセプトだ。ただしLTE導入当初はカバーエリアが狭いことから、ほとんどの携帯電話事業者は、通話サービスにはCSフォールバックという方式を用いて既存の3Gの回線交換網を利用する。ベライゾンも当初はLTEの通話にはCSフォールバックを利用するが、2012年には今回のデモのようなフルIPの通話「VoLTE」を開始したいとしている。