米AOLは米国時間2011年2月7日、米ネットニュースサイトのThe Huffington Postを3億1500万ドルで買収することで合意したと発表した。

 Huffington Postの設立は2005年。Barack Obama米大統領やHillary Clinton米国務長官、米GoogleのLarry Page次期最高経営責任者(CEO)といった著名人の記事を掲載するニュースサイトとして人気があり、米comScoreの調べによると月間ユニークビジター数は2500万人。AOLはこの買収によりThe Huffington Post Media Groupと呼ぶ事業部門を設置し、Huffington Postの共同創業者で編集長のArianna Huffington氏が同事業部門の社長兼編集長に就任する。

 AOLは、デジタル機器専門ブログの「Engadget」や、地図サービス「MapQuest」、映画情報サイト「Moviefone」などを運営しているが、これらのサービスを新事業部門に統合し、Arianna Huffington氏が統括していく。2010年9月に買収したニュースブログのTechCrunchも同部門の傘下に入れる(関連記事:AOL、ITブログネットワーク「TechCrunch」を買収へ)。

 ニュースや地域情報、エンターテインメント、動画など既存のAOLコンテンツも統合する新事業の月間ユニークビジター数は米国で1億1700万人、世界では2億7000万人になると予測しており、AOLの事業戦略が加速されるとしている。

 なお、今回の買収金額は同社のTim Armstrong会長兼CEOが2009年に同職に就任して以来最大規模になると米メディア(Wall Street Journal)は報じている。オンライン広告分野で実績を持つArmstrong氏が同社の経営トップに就いて以来、AOLは広告を収益源とするビジネスモデルへの転換を図っているが、広告収入は減少傾向。Armstrong氏は2011年後半のプラス成長を見込んでいると記事は伝えている。

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■変更履歴
記事公開当初、最後の段落で「Armstrong氏は2010年後半のプラス成長を見込んでいる」としていましたが、正しくは「2010年後半」ではなく「2011年後半」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/02/08 18:00]