Vodafone Egyptのホームページ
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 英Vodafone Groupのエジプト法人Vodafone Egyptは現地時間2011年2月3日、エジプト政府から強要され、同社の携帯電話サービス契約者に対してメールを送信したと公表した。同国では非常事態の際、政府当局がこうした権限を持つが、Vodafoneによると、反政府デモが始まったころから政府はこの権限を行使してきた。同社は「すべてのメールは透明性を持つべきで、作成者に帰属すべきだ。このような状況は受け入れがたい」と抗議している。

 Vodafoneはメールの内容を明らかにしていないが、米メディア(BloombergWall Street Journal)によると、「エジプト軍隊から忠実なエジプト国民にお願いです。国民や名誉、尊いエジプトを守るために反逆者と犯罪者に立ち向かおう」「うわさには注意し、理性の声を聞こう」といった内容という。Vodafoneのほか、France Telecom傘下のMobinilとアラブ首長国連邦Etisalat傘下のEtisalat Egyptの2社からも同様のメールが送られたと記事は伝えている。

 エジプトでは、1月27日からインターネットと携帯電話のサービスがほぼ全面的に遮断されたが、1月29日に音声サービスが、2月2日にはデータ通信が復旧したと伝えられている(関連記事:民衆デモ続くエジプトでネットが2月2日に回復、FacebookやTwitterもアクセス可能に)。

 経済協力開発機構(OECD)は、政府がネットを遮断したことによる経済的損失は9000万ドルにのぼるとしているが、米Forbes誌のオンライン版は実際の損失はOECDの試算を超えるはずだと伝えている。エジプトのアウトソーシング産業はインドに匹敵するほどに拡大しており、とりわけソフトウエアと通信業界が発展している。インターネットの遮断で、これら企業は業務停止を余儀なくされた。

[Vodafone GroupのWebサイト]