浮川社長が手書きした「えい業会ぎ」の文字。書き終わるのとほぼ同時に、「営業会議」という漢字が上部に表示された
浮川社長が手書きした「えい業会ぎ」の文字。書き終わるのとほぼ同時に、「営業会議」という漢字が上部に表示された
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手書き文字も、そのままノート内に挿入できる。フォントの文字と混在させることも可能
手書き文字も、そのままノート内に挿入できる。フォントの文字と混在させることも可能
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デモをする、浮川和宣社長(右)と浮川初子専務(左)
デモをする、浮川和宣社長(右)と浮川初子専務(左)
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手書き文字も、1文字単位で編集可能。「急ぎの」という文字のサイズを拡大し、色を赤に変え、太字に設定したところ
手書き文字も、1文字単位で編集可能。「急ぎの」という文字のサイズを拡大し、色を赤に変え、太字に設定したところ
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文字だけでなく、写真やWebサイトの画面なども文書内に挿入可能
文字だけでなく、写真やWebサイトの画面なども文書内に挿入可能
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 MetaMoJiは2011年2月3日、iPad向けのノートアプリ「7notes」を発売した。手書き文字をそのまま入力できるほか、フォント文字に変換することも可能。「会ぎ」のように画数が多い漢字だけをひらがなで書いても、正しい漢字に変換できる。作成したデータはクラウド上で保管・管理する。価格は1500円で、2月末まではキャンペーン価格として900円で販売する。

 7notesに特徴的なのが、「交ぜ書き変換入力」機能。「えい業会ぎ」のように漢字とひらがなを混在させて書いても、正しく「営業会議」と変換される。「手書きと言うと、難しい字をいちいち書かないとコンピューターに伝わらないだろうと思われるかもしれないが、7notesでは面倒な部分はコンピューターが手助けする。漢字が書けない現代社会に提案する手書きだ」(浮川和宣社長)。

 手書きの味を残したい場合は、手書き文字をそのままノート上に入力することも可能。同種のアプリケーションでは、文字の固まりを一つの画像として保持するものが多いが、7notesでは1文字ずつ個別の文字として認識・保持する。このため手書き文字であっても、1文字ずつカーソルを移動したり、削除したりできる。文字単位で大きさや色を変えることも可能。

 文字認識のスピードや精度向上にも力を入れた。手書き文字認識部分は、既存のエンジンを複数評価し、仏ビジョンオブジェクトのエンジンを採用。交ぜ書きのエンジンについては、オープンソースで開発されている「OpenWnn」と、奈良先端科学技術大学院大学が公開する辞書に、独自の辞書や技術を組み合わせて作り上げた。「ひらがなを漢字に変換する通常のかな漢字変換よりも、ひらがなと漢字が混ざった交ぜ書き入力は技術的に困難」(共通アプリケーション開発部の植松直也部長)だったが、独自技術で実現したという。

 より自然な日本語入力の実現には、誰よりも浮川社長がこだわったという。iPadが国内で出荷されてすぐに買い求め、iPad上でのソフトウエア開発を即決。ジャストシステム時代にはキーボードを使ったかな漢字変換に取り組んできたが、そこで実現できなかった、手書きによる日本語入力を実現したいと考えたという。浮川初子専務も「これだけパソコンが使われていても、紙とペンによる手書きは残っている。人間の想いを書くには、パソコンはまだ遠いのだろう。MetaMoJiが、人とコンピューターの溝を埋めていきたい」と、製品開発にかけた思いを語った。

 なお入力は手書きだけでなく、キーボードの利用も可能。文字だけでなく、写真やWebサイトの画面なども挿入できる。

 入力以外には、文書内の情報整理の方法も特徴的だ。「カラム」と「ユニット」という2つの単位で、文書内の情報を整理する。カラムとは文書を縦方向に分割したもので、3カラムまでの文書を作成できる。Excelで文書作成をする人が多いことに着目して用意した。一方のユニットは、段落など文書内の意味のまとまりの単位。ユニット単位で文章の順番を入れ替えるといった編集ができる。

 7notesで作成した情報は、ネットワーク上のストレージ「デジタルキャビネットサービス」に自動的に保存される。2GBまでのデータは無料で保管できる。これを超える場合は、5月に開始予定の有料サービス「プレミアムコース」の利用が必要。10GBまでで、価格は月額500円(または年額4900円)。なお一定量のデータはiPad内にも保存され、ネットワークが利用できない環境でも最低限の文書編集は可能という。文書には、任意のタグを付けて管理する。

 MetaMoJiでは7notesの発売に先立ち、タブレット端末やスマートフォン向けのクラウド・アプリケーションサービス販売を専門に手掛ける子会社、7knowledge(セブンナレッジ)を設立。7notesの販売も、7knowledgeが担当する。年内をめどに、海外市場向けやAndroid端末向けなどの製品提供も予定しているという。