米Microsoftの検索エンジン「Bing」が米Googleの検索エンジンの検索結果を“カンニング”しているとの疑惑に関して、両社の激しい応酬が続いている。Microsoftの反論に続いて、カンニングと判断する理由をGoogleが説明したのを受け、Microsoftは現地時間2011年2月2日、Bing関連の公式ブログに「誤解を正す」と題した投稿記事を掲載し、改めて疑惑を否定する声明を発表した。

 Bingのカンニング疑惑について最初に報じたのは技術関連ニュースブログ「Search Engine Land」にの2月1日付の記事。それによると、Googleは昨年5月頃から、キーワードのスペルを間違えて検索した際にBingがGoogleと同様の検索結果を表示していることに疑惑を持ち始め、12月に“おとり捜査”を実行した。これまで検索結果がゼロもしくはごく僅かだったクエリーに対する偽の検索結果ページを100ほど作って設定。「Internet Explorer」でBing検索を行ったところ、Googleが仕掛けたおとり検索結果ページと同様の結果が上位に表示されるケースが見られたという。

 Microsoftは同日、即座に否定のコメントを発表。Bing担当コーポレート・バイス・プレジデントであるHarry Shum氏は、「Bingでは検索結果のランキングアルゴリズムに1000以上の異なる信号や要素を用いており、許可を得たユーザーから収集した匿名のクリックストリームのような小さいデータもその1つだ」と説明し、「Bingはすべてユーザーから(情報を得て)学んでいる」と反論した(関連記事:「Bing」にカンニング疑惑、Microsoftが反論のコメント)。

 これに対してGoogleフェローのAmit Singhal氏は、Google公式ブログで捜査に使った実験手法と結果を詳細に説明し、「要するに、Bingの検索結果は直接Google(の検索結果)から来たものだ」と指摘した。

 これを受け、Microsoftオンラインサービス部門担当上級バイスプレジデントのYusuf Mehdi氏は、Bing関連公式ブログへの投稿で、「当社は競合検索エンジンの結果をコピーなどしていない。以上!」と断言。BingのランキングアルゴリズムについてShum氏と同様の説明を繰り返し、「多様なオンラインサービスが性能向上に使う一般的な手段だ」と述べた。

 またMehdi氏は、「GoogleはBingをだますためにワナを仕掛けた。Googleの実験はBingの検索結果を操作するために行われたものであり、その手法は検索結果を操作しようとスパム業者が使うクリック詐欺と同類の攻撃だ」と非難した。さらに「Bingは昨年10月に大幅な強化を発表したが、Googleがそれに対して懸念を抱いていると聞いていた。そして12月のおとり捜査だ。このタイミングは本当に偶然だろうか?」と付け加えた。

[Bing関連の公式ブログ]