写真1●米Googleの「アートプロジェクト」 実際に館内を歩く感覚で世界中の有名美術館の作品を鑑賞できる。写真はニューヨーク近代美術館(MoMA)の館内
写真1●米Googleの「アートプロジェクト」 実際に館内を歩く感覚で世界中の有名美術館の作品を鑑賞できる。写真はニューヨーク近代美術館(MoMA)の館内
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写真2●ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」
写真2●ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」
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写真3●ストリートビュー画像の撮影に使われた撮影装置「トロリー」
写真3●ストリートビュー画像の撮影に使われた撮影装置「トロリー」
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写真4●70億画素の超高解像度で撮影された「星月夜」(フィンセント・ファン・ゴッホ)の一部
写真4●70億画素の超高解像度で撮影された「星月夜」(フィンセント・ファン・ゴッホ)の一部
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 米Googleは2011年2月1日、同社の「ストリートビュー」技術を用い、実際に館内を歩く感覚で世界中の有名美術館の作品を鑑賞できるプロジェクト「アートプロジェクト」を公開した(写真1)。

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ、世界的に有名な9カ国17館の美術館と協力し、486人のアーティストによる1000作品以上の美術作品をオンラインで鑑賞できるようにした。ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」(写真2)、レンブラント作「夜警」、ゴッホ作「星月夜」、日本からは葛飾北斎「雷神」、伊藤若冲「鶴図」などの作品が閲覧可能になっているという。

 作品自体を高解像度カメラで撮影するのに加え、ストリートビュー技術を使って美術館内を撮影しており、美術館内を360度見渡せるバーチャルツアーを体験できるようになっている。

 美術館内の撮影には、「トロリー」と呼ぶストリートビュー用に設計された特別な手押し車を利用した(写真3)。美術館内の385以上の部屋を撮影し、画像をつなぎ合わせることで美術館内を歩き回れるようにしたという。Googleでは、撮影した美術館は、上記プロジェクトページ以外にGoogleマップのストリートビューからも閲覧可能であるとしている。

 各美術館から1点ずつ、7ギガピクセル(ギガは10億)という超高解像度で作品を撮影しており、これらについては肉眼でも確認できないような細かい筆のタッチまで詳細に見られるとしている(写真4)。

 アートプロジェクトに参加した美術館および超高解像度で撮影された作品リスト(作品名と作家名)はの通り。


表●アートプロジェクトに参加した美術館および作品名と作家名
ドイツアルテ ナショナルギャラリー(旧国立美術館)「温室にて」エドゥアール・マネ
絵画館「自画像」ハンス・ホルバイン(子)
米国フリーア美術館「陶磁の国の姫君」ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラー
フリックコレクション「荒野の聖フランチェスコ」ジョヴァンニ・ベッリーニ
メトロポリタン美術館「穀物の収穫」ピーテル・ブリューゲル
ニューヨーク近代美術館「星月夜」フィンセント・ファン・ゴッホ
チェコカンパ美術館「The Cathedral」フランティセック・クプカ
スペインソフィア王妃美術館「The Bottle of Anis del Mono」フアン・グリス
ティッセン=ボルネミッサ美術館「騎士の肖像」ヴィットーレ・カルパッチョ
英国ナショナルギャラリー「大使たち」ハンス・ホルバイン(子)
テート・ブリテン「ノー・ウーマン、ノー・クライ」クリス・オフィリ
フランスヴェルサイユ宮殿「マリー・アントワネットと子供達」エリザベト・ヴィジェ=ルブラン
オランダアムステルダム国立美術館「夜警」レンブラント・ファン・レイン
ゴッホ美術館「画家の寝室」フィンセント・ファン・ゴッホ
ロシアエルミタージュ美術館「放蕩息子の帰還」レンブラント・ファン・レイン
国立トレチャコフ美術館「民衆の前に現れたキリスト」アレクサンドル・イヴァノフ
イタリアウフィッツィ美術館「ヴィーナスの誕生」サンドロ・ボッティチェッリ