NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2011年1月31日、アジア5カ国・地域を結ぶ総容量15Tビット/秒以上の大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」(ASE)の建設を始めることを発表した。建設に参加する通信事業者はNTTコム(香港のNTT Com Asiaも含む)、Telekom Malaysia(マレーシア)、PLDT(フィリピン)、StarHub(シンガポール)の4事業者。総工費は約360億円(約4.3億米ドル)、総延長は約7200kmとなっている。

 NTTコムによれば、現在多数の国際海底ケーブルが密集している「台湾南沖パシー海峡」付近は地震や台風など自然災害の影響を受けやすく、ここ数年ケーブルの故障が頻発しているという。自然災害により海底ケーブルが被災すると、香港やシンガポールをはじめ、東南アジア各国、日本、米国の通信に多大な影響が及ぶ。そこでASEでは、この故障頻発エリアを回避しつつ、日本から香港やシンガポールなどへの遅延が最短となるルート設計を採用したとしている。

 建設は2段階のフェーズで実施される。まずフェーズ1として、日本、シンガポール、マレーシアの3カ国を直接結び、フィリピンへの接続も持つルートを建設する(運用開始は2012年6月を予定)。その後フェーズ2として、香港への接続ルートを建設する(運用開始は2012年12月を予定)。NTTコムでは、さらにその先の予定として、中国大陸や東南アジア諸国への接続先の拡大を進めるとしている。