欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2011年1月26日、米Intelによるセキュリティソフト大手、米McAfeeの買収計画を承認したことを明らかにした。コンピュータセキュリティ分野での公正な競争を確保するための条件も示した。

 IntelがMcAfeeを買収することで両社が合意したと発表したのは2010年8月。McAfeeを100%子会社とし、McAfeeの全普通株を1株当たり現金48ドルで買い取る計画で、総額は76億8000万ドルとなる。モバイル端末やテレビなどパソコン以外のネット対応機器にMcAfeeの技術を組み込んでいく意向だ。

 既に米連邦取引委員会(FTC)からは2010年12月に買収について承認を受けた(関連記事:McAfee買収のFTC承認をIntelが明らかに、「今後は欧州委員会の調査に協力する」)。ECは、世界のコンピュータ向けチップ市場で優位に立つIntelが競合製品を市場から閉め出すのではないかとの懸念を抱き、調査を開始した。

 今回の承認を得るに際しては、Intelは「IntelのCPUおよびチップセットの機能をMcAfeeが利用するのと同様に、競合セキュリティベンダーも利用するために必要な情報全てにアクセスできる」ことを保証した。また「競合セキュリティベンダーの製品がIntelのCPUあるいはチップセットで稼働するのを妨害しない」ことや「競合CPUあるいはチップセットを搭載したパソコンにおいて、McAfee製品の性能を故意に落とさない」などの条件も含まれている。

 ECは今回の承認に当たり、「Intelの協力のおかげで、予備調査の第1段階の終わりに条件付き決定という結論を導き出すことができた」と述べている。

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