米Googleは米国時間2011年1月24日、Webブラウザー「Chrome」のプライバシー機能強化について発表した。オンライン行動の追跡をユーザーが恒久的に拒否できる手段を提供する。米連邦取引委員会(FTC)が個人情報管理手段「Do Not Track」の搭載を提案したことにこたえるもの。米MozillaもWebブラウザー「Firefox」用の追跡拒否機能を検討中であることを前日に明かした。

 GoogleがChrome向け拡張機能としてリリースした「Keep My Opt-Outs」は、オンライン広告業界の自主規制基準に準拠した広告企業の追跡を一括して拒否できる。すべてのクッキーを削除した場合でも、オプトアウトの設定は維持される。従来提供されているオプトアウト機能は、クッキーを削除すると設定内容もすべて消去されてしまった。

 Keep My Opt-OutsはGoogleのWebサイトからダウンロード可能。なおユーザーがKeep My Opt-Outsをインストールした場合、同じ広告ばかりが表示されたり、関連性の低い広告が掲載されたりするようになる。

 またGoogleは、他のブラウザー向けにも同様の機能を開発できるよう、Keep My Opt-Outsのコードをオープンソース化する計画である。

 一方、Mozillaが検討している追跡拒否機能の1つは、HTTPヘッダーを利用する。Mozillaプライバシーポリシー担当者Alexander Fowler氏の個人ブログによると、ユーザーがブラウザー設定でこの機能を有効にしておくと、FirefoxからWebサイトに追跡拒否ヘッダーが送信され、Webサイトのサーバーと広告サーバーはパーソナル化しないコンテンツと広告をWebページに表示する仕組み。

 FTCは2010年12月、プライバシー保護に関する枠組みの新たな提案にDo Not Trackを盛り込んだ。ユーザー自身による個人情報管理を簡素化するための手段を提供するよう求めている。Microsoftは同月、次期ブラウザー「Internet Explorer(IE)9」に新たなプライバシー保護機能「Tracking Protection」を搭載する計画を発表している(関連記事:Microsoft、次期ブラウザー「IE9」に行動ターゲティング拒否機能を搭載)。

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