国内のセキュリティ情報を取りまとめて公表している公的機関である情報処理推進機構(IPA)のセキュリティセンターは2011年1月21日、Android OSをターゲットとした新たなタイプのウイルスである「Geinimi」(ゲイニミ)が出現したことを受けて、同ウイルスへの注意を喚起する文書を公開した。

 IPAによれば、Android OSを狙った代表的なウイルスとしては、既にSMS(ショートメッセージサービス)を悪用する「トロイの木馬型ウイルス」と、GPS機能を使って位置情報を第三者へ定期的に送信する「スパイウエア型ウイルス」の2種類が2010年8月ころに出現していたという。

 今回注意を呼びかけているGeinimiは、端末内に潜伏し、悪意のある第三者(クラッカ)からの指令に従ってユーザーの端末を乗っ取ったり外部への攻撃を実行したりといった悪事を働く「ボット型ウイルス」というタイプとなる。Geinimiは、正規のアプリにボット型ウイルスを抱き合わせた形でAndroidマーケット外で配布されており、2010年末ころに出現して2011年1月下旬の現在も中国を中心に出回っているという。

 Geinimiを含むAndroidウイルスに対する備えとして、IPAでは、(1)Androidマーケットなど信頼できる場所から正規版アプリを入手する。その際にはアプリの評価も確認すること、(2)Android端末に不審なアプリをインストールできないように「提供元不明のアプリ」設定のチェックを外しておくこと、(3)アプリをインストールする際には「アクセス許可」の一覧に必ず目を通し、疑問に思う点があればインストールを中止すること、(4)Android向けのセキュリティソフトを導入すること---の4点を挙げている。