写真1●NTTコミュニケーションズ 取締役 ビジネスネットワークサービス事業部長の原隆一氏
写真1●NTTコミュニケーションズ 取締役 ビジネスネットワークサービス事業部長の原隆一氏

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は2011年1月19日、同社の複数の主要なWANサービスを統合・再編した新サービス「Universal One(ユニバーサルワン)」を発表した。このサービスはIP-VPNサービス「Arcstar IP-VPN」「Group-VPN」、広域イーサネットサービス「e-VLAN」「Group-Ether」の後継という位置づけ。さらに、専用線サービス「ギガストリーム」シリーズのなかで、イーサネットを利用するタイプを統合する。4月からサービスの受け付けを開始する予定だ。

 同社取締役 ビジネスネットワークサービス事業部長の原隆一氏(写真1)は、「ネットワークの伝送技術が進化するごとにサービスを追加してきたため、現在、当社のVPNのメニューだけでも200項目以上になっている。ユーザーにとってサービスが選びにくい状態にある」と現状を説明。「レイヤー2(L2)のネットワーク技術はイーサネット、レイヤー3(L3)はIPに集約されてきたこのタイミングでサービスを整理する。ユーザーはシンプルなメニューで、サービスとしてネットワークが利用できるようになる」(同氏)と、導入の狙いを語る。

通信品質が異なる4種類のプランから一つを選択

 Universal Oneでは、従来のWANサービスからメニュー構成を大きく変更している。これまでユーザーは最初にIP-VPN、広域イーサネットなどレイヤー別にサービスを選ぶ必要があったが、Universal Oneではまず通信品質が異なる4種類のプランから一つを選択し(図1)、さらにL2/L3どちらで接続するかを選ぶ形だ。

 新しいプランは通信品質の高い順に「プレミアムプラン」「ギャランティプラン」「バーストプラン」「ベストエフォートプラン」となっている(図2)。これにより、企業は特別な設備を用意したり、別途料金を支払ったりすることなく、拠点ごとにL2/L3のサービスを使い分けることができる。既存のサービスでは、L2/L3それぞれのWANサービスを個別に契約した上で、相互接続のインテグレーション料金や、接続用ゲートウエイを置くデータセンターの利用料などが必要だった。

図1●Universal Oneは2011年4月から、既存の5種類のWANサービスを統合する形ではじまる
図1●Universal Oneは2011年4月から、既存の5種類のWANサービスを統合する形ではじまる
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図2●Universal Oneのプラン構成
図2●Universal Oneのプラン構成
プレミアム/ギャランティ/バーストプランのレイヤー3接続が現在の「Arcstar IP-VPN」、同レイヤー2接続が「e-VLAN」に相当する。ベストエフォートプランのレイヤー3接続が現在の「Group-VPN」、同レイヤー2接続が「Ether-VPN」当たる。
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 また、新しいサービスではオプションメニューや、サポート担当の窓口も一元化する予定だ。従来は複数のWANサービスを組み合わせて採用する際に、「サービスごとにオプションメニューが異なり、同一ポリシーでの運用が難しい」「WANサービスの組み合わせによっては、サービス窓口を統一するのに追加料金がかかるケースがある」などの課題があった。なお、既存のギガストリームのイーサネット専用線は、Universal Oneではプレミアム/ギャランティプラン向けのオプションメニューとして提供される予定である。