米Verizon Wirelessは現地時間2011年1月12日、ニューヨーク都市圏の第3世代(3G)ネットワークを強化したと発表した。基地局を16局追加。携帯電話を使った通話、テキストメッセージング、Webサーフィンなどの通信性能を向上させ、カバー地域の拡大も図った。

 同社は2010年に第4世代(4G)LTEネットワークの商用サービスを開始した。しかしVerizonユーザーのほとんどが3Gネットワークを使用している現状を踏まえ、3Gネットワークの信頼性向上にも取り組んでいるという。Verizonニューヨーク都市圏担当責任者のPat Devlin氏は、「ユーザーはいずれ4Gに移行する可能性があるが、近い将来のニーズには当社の3Gネットワークが適することを、多くのユーザーが認めてくれるだろう」と述べた。

 Verizonは前日(2011年1月11日)、米Appleのスマートフォン「iPhone 4」を2月に発売すると発表したばかりだ。Verizon版iPhoneは3Gネットワークに対応し、4G LTEには対応しない(関連記事:Verizonが「iPhone 4」を2月10日発売へ、5台対応のテザリング機能を提供)。

 それだけに今回の3Gネットワーク強化はiPhoneの発売に備えたものとも考えられる。Verizonの広報担当者は米CNET News.comの取材に対し、「単一の理由によるものではない」と狙いを明言しなかった。しかし、これまでiPhoneの独占キャリアだった米AT&Tが、ニューヨークとサンフランシスコでユーザーから通信性能に関して強く抗議されたことに言及した。Verizonは2010年12月、サンフランシスコでも基地局を増設している。

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