独SAPとスイスSECUDEは現地時間2011年1月12日、SAPがSECUDEからセキュリティソフト関連の資産を買収すると発表した。買収手続きは2011年2月1日前後に完了する見込み。買収金額などの詳細は明らかにしていない。今回の買収対象には、セキュリティソフトやID管理・アクセス管理ツールの他、関連する開発技術者やコンサルタントなどが含まれる。

 SECUDEは1996年に設立された企業で、ITセキュリティ製品の開発や、企業や政府機関などへのコンサルティングを手掛けてきた。SECUDEは今後はデータ保護事業「FinallySecure」に注力し、独立企業として経営を維持する。

 SAPは、SECUDEの「Secure Login」や「Enterprise Single Sign-On」といったソフトウエアを取得し、自社の企業向けID管理製品「NetWeaver Identity Management」などに組み込む。まず、Secure Loginのベーシック版を既存顧客に無償提供し、今後のリリースすべてにバンドルする。これらセキュリティソフトを標準提供することで顧客のニーズに応えるとしている。顧客への配布は2011年第2四半期に開始する予定。

 SAPユーザー向けには米OracleなどもID管理ソリューションを展開しているが、SAPは「今回の資産買収によって、他社の製品なしに、顧客のシステムのセキュリティ強化を支援できる」と述べている。

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