写真1●ジャストシステム ライセンス事業部 事業部長の植松繁氏
写真1●ジャストシステム ライセンス事業部 事業部長の植松繁氏
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写真2●JUST CalcではExcel 2003と近いUIを採用
写真2●JUST CalcではExcel 2003と近いUIを採用
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 ジャストシステムは2011年1月12日、Microsoft Officeファイルの作成・編集に特化した法人向けライセンス製品を開発中であることを明らかにした。Wordファイル、Excelファイル、PowerPointファイルを扱う互換ソフトを、一太郎やATOK、管理ツールとセットにして、Microsoft Officeの半額程度の価格で提供する。今夏から、企業、官公庁・自治体、警察機関向けに販売する予定だ。

 今回、同社が開発を表明したのは、拡張子「.doc」のWordファイルを扱うワープロソフト「JUST Note」、拡張子「.xls」のExcelファイルを扱う表計算ソフト「JUST Calc」、拡張子「.ppt」のPowerPointファイルを扱うプレゼンテーションソフト「JUST Slide」の互換ソフト3種、および印刷時にトナーやインクの使用量を調整できる印刷管理ツール「JUST IncCutter」、ライセンス管理ツール「JUST AppDesk」の管理ツール2種。

 これら5つのソフトを、法人向けに機能拡張したワープロソフトの新版「一太郎Pro」、日本語入力システムの新版「ATOK Pro」などと組み合わせて、民間企業向けパッケージ「JUST Office」、官公庁・自治体向けパッケージ「JUST Government」、警察機関向けパッケージ「JUST Police」として販売する。JUST GovernmentとJUST Policeは、JUST Officeの全機能に加えて、それぞれの組織での業務に役立つ専用機能を搭載する。

 既存のワープロソフト「一太郎」や表計算ソフト「三四郎」、プレゼンテーションソフト「Agree」もMicrosoft Officeファイルと互換性があるが、新しい互換ソフト「JUST Note」「JUST Calc」「JUST Slide」では、Officeファイルを扱うことを前提としてゼロから設計・開発し直したという。

 Microsoft Office互換ソフトの開発に至った背景について、同社 ライセンス事業部 事業部長の植松繁氏(写真1)は、「2014年4月にMicrosoft Office 2003の延長サポートが終了することに伴い、今後1~3年のうちにシステムの入れ替えを計画している企業が増えているが、IT予算が削られる中、いかに安くシステムをリニューアルするかが課題となっている」と説明する。「企業のPC1台に掛かるコストはここ10年で半減したがOfficeソフトのコストは微増している。PC1台の予算に占めるOfficeソフトの割合が高いことが企業のITコスト圧縮の妨げになっている。そこで当社は、低コストなOffice互換ソフトの開発に着手した」(植松氏)。

 Office 2003から移行するユーザーを想定して、「JUST Note」「JUST Calc」「JUST Slide」は、Office 2003と近いユーザーインタフェース(UI)を採用している(写真2)。リボンUIなどOffice 2007以降で搭載された新機能の操作を覚える必要がないので、社員の教育コストを大幅に削減できるとする。