日本放送協会(NHK)は2011年1月12日、2011年度の予算案と事業計画を発表した。事業収入(民間企業の売上高に相当)は6926億円(前年度比2・1%増)、事業収支差金(利益に相当)は40億円(同101億円改善)である。2008年度以来、3期ぶりに黒字予算を組む。事業収支差金は、「債務償還に充当する」(NHK)としている。

 2011年度は、NHKの3カ年計画(2009~2011年度)の最終年度となる。NHKは2011年度予算の基本的な考え方として、「2011年7月の放送完全デジタル化に向けて、デジタル放送の普及に努めるとともに万全な対策を実施する」「衛星放送はハイビジョン放送2波に再編し、地上放送も合わせたテレビ放送4波の個性を発揮したサービスを行う」「受信料の公平負担に向けた取り組みを強化し、公共放送を支える受信料制度への理解を促進するとともに、一層効率的な契約収納活動を推進する」などとしている。これらの考え方に基づき、「2011年度は業務全般にわたって精査を行い、経営計画の達成に向けた予算とした」という。

 事業計画では、2011年度の重点事項として、「放送・通信融合時代の新サービスで公共放送の役割を果たす」「日本とアジアを世界に伝える」「視聴者の信頼を高めるため組織風土改革に全力を上げる」「地域を元気にするための拠点となる」など9項目を挙げた。目標としては、「NHKへの接触者率80%」(2010年6月時点で74.5%)と「受信料の支払い率75%」(2010年9月時点で推計72.9%)の二つを示した。

 予算案と事業計画は、NHK経営委員会での議決を得たうえで、2011年1月12日にNHKの福地茂雄会長が片山善博総務大臣に提出した。

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