IDC Japanは2011年1月11日、2010年の国内IT支出額が前年比0.3%増の9兆4870億円だったと発表した。日本経済は徐々に明るさが増し、これに伴って緩やかな回復基調を示している。従業員999人以下の中堅中小企業(SMB)は前年に引き続きマイナス成長だが、マイナス幅は縮小しており、2011年からはプラス成長に転じる見込み。

 企業規模別の支出額は、従業員1000人以上大企業が同0.6%増の5兆8509億円と好調。SMBでは、中堅企業(従業員500~999人)が同0.2%増の8427億円、中小企業(同100~499人)が同0.1%減の1兆5834億円、小規模企業(同99人以下)が同0.5%減の1兆2099億円の見込み。

 2011年は、大企業が同1.4%増の5兆9341億円、SMBが同0.1%増の3兆6380億円になると予想している。大企業は、これまで延期されていたシステムの刷新や新規開発が再開されてプラス成長が持続。SMBはプラスに転ずるものの、本格的な回復は2012年以降となる見通し。

 IDC Japanは、生き残りをかけて新規事業進出を図る企業も多くみられるとした上で、こうした企業に対してITベンダーは、効率的な業務プロセスや短期間での商品化を実現するソリューションの提案など事業発足の段階から参画するアドバイザリビジネスに注目すべきである、と分析している。