大日本印刷(DNP)、NTTドコモ、CHIグループおよび3社の合弁会社であるトゥ・ディファクトは2011年1月11日、NTTドコモのスマートフォン/ブックリーダー向けの電子書籍ストア「2Dfacto」(写真1)を開設すると発表した。1月12日から、DNPの電子書籍サービス「honto」に登録された文芸書やコミック約2万点を販売する。2011年春までに、販売コンテンツを約10万点に拡充する計画だ。

 2Dfactoは、NTTドコモのスマートフォン向けアプリケーション配信サイト「ドコモマーケット」の中に開設される電子書籍ストア。販売する電子書籍コンテンツは、NTTドコモのスマートフォン/ブックリーダー7機種(Xperia、GALAXY S、GALAXY Tab、LYNX 3D、REGZA Phone、Optimus chat、ブックリーダー SH-07C)で閲覧できる。「XMDF」「.book」「BS Reader」「JPEG」など多様な電子書籍フォーマットに対応。さらに、DNPが開発した文芸書向けの明朝体フォント「秀英体」をディスプレイ用に改訂した「秀英横太明朝体」での表示が可能だ。

 タイトル、著者名、出版社名、ジャンルなどから書籍を検索する「詳細検索機能」、自由なキーワードで書籍を検索できる「フリーワード検索機能」を用意する。フリーワード検索では、検索窓に検索候補の一覧が並ぶ「入力補助機能(インクリメンタルサーチ)」(写真2)を搭載し、販売実績の高い候補を上位表示する。

写真1●NTTドコモのスマートフォン/ブックリーダー向けの電子書籍ストア「2Dfacto」
写真1●NTTドコモのスマートフォン/ブックリーダー向けの電子書籍ストア「2Dfacto」
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写真2●「フリーワード検索機能」で読みたい電子書籍を検索
写真2●「フリーワード検索機能」で読みたい電子書籍を検索
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 トゥ・ディファクトの小城武彦代表取締役社長(写真3)は、「2Dfactoを軸として、電子書籍サービスhontoをハイブリッド型総合書店にしていきたい」と話す。同社は2011年中に、紙の書籍を販売するDNPグループのオンライン書店「ビーケーワン」やリアル書店(丸善、ジュンク堂、文教堂)を2Dfactoと連携させて、紙の書籍の購買履歴に基づいて電子書籍をレコメンドするサービスや、電子書籍ストア、オンライン書店、リアル店舗で共通のポイントサービスなどを開始する予定だ。

 さらに、複数の端末で電子書籍の続き読みができる「しおり機能」や、電子書籍ストア、オンライン書店、リアル店舗の在庫を一度で検索できる「総合検索サービス」なども2011年中に提供するという。

写真3●トゥ・ディファクトの小城武彦代表取締役社長
写真3●トゥ・ディファクトの小城武彦代表取締役社長
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写真4●NTTドコモ の辻村清行代表取締役副社長
写真4●NTTドコモ の辻村清行代表取締役副社長
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 NTTドコモ の辻村清行代表取締役副社長(写真4)は、2Dfactoの方向性について、「これまでにドコモマーケットからダウンロードされた電子書籍のうち、半数が文芸書だった。この結果を踏まえて、2Dfactoでは特に文芸書の拡充に力を入れていく」と述べた。「現在、紙の書籍の市場規模は約2兆円。今後、このうち1~2割が電子化されるだろう。1000億~2000億円の電子書籍市場の中で、2Dfactoは400億~500億円のシェアを取りたい」(辻村氏)。

 なお、2Dfactoのスタートに伴い、電子書籍サービスhontoの運営は1月12日付けでDNPからトゥ・ディファクトへ移管される。