図1 パイオニアのiPhone向け車載用クレードル
図1 パイオニアのiPhone向け車載用クレードル
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図2 iPhone向けの専用コネクタで接続
図2 iPhone向けの専用コネクタで接続
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図3 新開発のアプリでiPhoneカーナビを使いやすく
図3 新開発のアプリでiPhoneカーナビを使いやすく
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 パイオニアは「2011 International CES」において,「iPhone」向けカーナビ・アプリの位置精度を向上させる車載用のクレードルを出展した(図1)。加速度センサや角速度(ジャイロ)センサ,GPSモジュールをクレードルに内蔵し,これらの情報を使って演算した位置情報をiPhoneに送信する。パイオニアは同様のクレードルを2010年に発表していたが,その際はNTTドコモの携帯電話機向けだった。今回,iPhoneに対応させたことに加えて,新たにiPhone専用のアプリを開発した(Tech-On!関連記事)。2011年春ごろから販売する計画で,価格はアプリ込みで120~150米ドルを予定する。

 iPhoneでは,GPS信号と近傍の基地局との位置関係などから現在位置を推定するが,通信環境の悪い場所では精度が低かった。パイオニアのクレードルを使えば,「加速度センサや角速度センサの信号を利用した位置情報のデータが得られ,精度が大きく向上する」(パイオニア)という。

 クレードルからiPhoneへの位置情報の送信には,iPhoneの30端子を備えた専用コネクタを介して実施する(図2)。iPhoneへの充電も,このコネクタを介してできる。また,クレードルにはスピーカーと近距離無線通信の「Bluetooth」が備えてあり,ハンズフリーの通話にも対応する。Bluetoothを利用してiPhoneから音声データをクレードルに送信し,クレードルのスピーカーを通じて音量を拡大する。

 新たに開発したアプリでは,カーナビや音楽,インターネット・ラジオなどのアプリを車内で使いやすくすることを狙う。アプリの名称は「Channel 4D concept」。これをiPhoneにダウンロードしておけば,タッチパネルを1回触れるごとに,アプリが切り替わる(図3)。iPhoneではアプリの切り替え時にホーム画面に戻る必要などあるが,パイオニアはこれが「運転時の作業としては煩雑」と考えた。新開発のアプリを使えば,「切り替え作業の負担が大きく減り,安全な運転に貢献する」(パイオニア)という。