米Cisco Systems Inc.は,放送やインターネットに配信された動画などを,異なる端末上で楽しむためのネットワーク・プラットフォームを発表した(発表資料)。名称は「Cisco Videoscape」。「2011 International CES」の開催前日の記者発表会で,Cisco社は「これで,『動画体験』が創り直されるだろう」(同社 Chairman兼CEOのJohn Chambers氏)と,大きな期待を表明した。
Videoscapeは,放送やインターネットで配信する動画コンテンツを単一のプラットフォームで提供する。この環境はテレビだけでなく,各種の端末で利用できる。
Videoscapeは,ユーザーのサブスクリプション情報を管理する。消費者がインターネットに接続できる端末であれば,どのような端末でもこうした情報にアクセス可能という。このほかVideoscapeには,端末の表示機能や処理機能に応じて,提供する動画を最適化することができる。例えば,ユーザーが携帯電話機で動画を再生する場合,Videoscapeは動画を携帯電話機の処理環境に最適化する。
Cisco社によると,Videoscapeの機能のうちの75%~85%は,ネットワーク側のソフトウエアで実行している。端末側としては,Videoscape対応のセットトップ・ボックス(STB)製品群や,AndroidやiOS対応ソフトウエアも用意している。Cisco社製以外の端末でVideoscape機能を利用する際には,同社が用意したソフトウエアを導入することで対応する。さらにCisco社はVideoscapeのAPIも公開する予定である。
Videoscapeは,既に出荷できる状態という。Cisco社によると,オーストラリアTelstra社など複数の通信事業者が,Videoscapeを導入する予定としている。