米連邦通信委員会(FCC)は米国時間2010年12月21日、インターネットの中立性を巡る規定案の採用を承認したことを明らかにした。同規定では、ブロードバンドプロバイダーに対して、不当な差別によるコンテンツやアプリケーションの遮断を禁じる一方、効果的なネットワーク管理の必要性も認めている。

 FCCは昨年10月にネット中立性に関する規則策定に向けた手続きを開始した(関連記事:FCC、ネット中立性に関する規則策定で意見公募)。一般からの意見募集を経て、今回FCCで投票を行った。新たな規則では、固定ブロードバンドプロバイダーが合法的なコンテンツ、アプリケーション、サービスを差別して通信を遅らせたり、遮断したりすることを禁じている。またモバイル向けブロードバンドプロバイダーに対しては、合法的なWebサイトへのアクセスや、競合する音声およびビデオ通話サービスへの接続を妨害してはならないとしている。

 いずれも正当なネットワーク管理を前提としており、ネットワーク管理の慣習を公開することを義務づけた上で、効果的なセキュリティやトラフィック管理のための制限も容認する内容となっている。

 今回の採決では、FCC委員長のJulius Genachowski氏を含む3名が賛成票を投じ、他2名が反対票を投じた。Genachowski氏は、「インターネットは競技場であり、そこでは消費者自身がどのアプリケーションやサービスを使うか選択し、どのようなコンテンツにアクセスして共有するか判断できる。こうしたオープン性により競争が高まり、ブロードバンド導入が普及し、さらなる投資とネットワーク向上につながる。新たな規定の目的は、この投資と革新のサイクルを促進することだ」と説明した。

[発表資料(Word文書)]