米AT&Tと米Qualcommは米国時間2010年12月20日、AT&TがQualcommから無線周波数帯の免許を19億2500万ドルで取得することで合意したと発表した。AT&Tはこれにより、将来的な第4世代(4G)ネットワークの整備強化を図る。手続きは2011年後半に完了する見通し。

 対象となるのは、Qualcommが現在モバイルTVサービス「FLO TV」に使用している700MHz前半の周波数帯。QualcommはFLO TV事業の方向性について検討していたが、免許売却にともない、2011年3月に同事業を終了する。これまで同事業のリストラ関連費用として2011会計年度に1億2500万~1億7500万ドルを計上すると見ていたが、この金額は拡大する可能性がある。

 AT&Tは、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ロサンジェルス、サンフランシスコの5都市におけるDブロックおよびEブロック免許の12MHz幅と、他の地域におけるDブロック免許の6MHz幅を取得する。受信可能なユーザー数は合計3億人以上にのぼるという。これら周波数帯の導入は、対応端末やネットワーク機器の開発が完了した際に実施する。

 米メディアの報道(Businessweek)によると、Qualcommはこれら周波数免許を2003年と2008年のオークションにおいて6億8300万ドルで落札した。しかしFLO TVではユーザー獲得が思うように進まず、業績不振が続いていた。

[発表資料(AT&Tのプレスリリース)]