米Yahoo!のソーシャル・ブックマーク・サービス「Delicious」の運営チームは米国時間2010年12月17日、Yahoo!が同サービスの継続運営に向けて複数の企業と協議していると発表した。

 これに先立って米欧のメディアがYahoo!がいくつかの事業についてサービスの終了を計画していると報じており、その中にDeliciousも含まれていた。米Wall Street Journalの17日付記事によると、Yahoo!が事業廃止を計画しているのはDeliciousのほか、ユーザー参加型ニュースサイト「Yahoo! Buzz」、検索エンジンの「AltaVista」、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「MyBlogLog」など。このほかにも複数のサービスについて統廃合を検討していると同紙は伝えている。

 これについてDeliciousの運営チームは公式ブログへの投稿記事で「Yahoo!において、Deliciousが戦略上の適合性がないと判断されたのは事実」と認めている。ただし「Deliciousを閉鎖するつもりはない」としており、「Yahoo!の以外でDeliciousの理想的な拠点があると信じており、現在複数の企業と選択肢について協議している」と述べた。

 Wall Street Journalによると、この話題はYahoo!社内のプレゼンテーション資料の画像が流出し、ネット上に公開されたことで広がった。同紙は、Yahoo!の広報担当者が画像が本物であることを認め「複数のサービスについて選択肢を検討している」と話したと報じている。

 不採算事業や非戦略サービスへの投資を削減し、中核事業と新技術に注力するのが目的で、広報担当者は「今後それぞれの事業について評価を行い、数カ月後にはサービスを終了する」と述べている。

 Yahoo!のリストラ策をめぐっては先に全従業員の約5%に当たる650人程度を削減すると報じられていたが、これについてはYahoo!が17日に米証券取引委員会に提出したForm 8-K(臨時報告書)でその事実が明らかになっている。この中でYahoo!は、すでに削減対象の従業員に通知を始めたこと、この人員削減によって3300万~3800万ドルの費用が発生することを報告している(関連記事:Yahoo!が最大650人を削減へ、米欧メディアが報道

[Delicious公式ブログへの投稿]
[Yahoo!のForm 8-K(臨時報告書)]