写真●クラウドOS「Nimbula Director」について説明する米ニンブラのレザ・マレクザデ マーケティング担当副社長
写真●クラウドOS「Nimbula Director」について説明する米ニンブラのレザ・マレクザデ マーケティング担当副社長
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 米ニンブラは2010年12月15日、記者向けの説明会を開催し、LinuxベースのクラウドOS「Nimbula Director」の正式版を2011年前半に市場投入することを明らかにした(写真)。Nimbula Directorは、Debian GNU/Linux 5.0などに仮想化ソフトや管理用ソフトを統合したOSパッケージ。企業が自社のネットワークシステム上にプライベートクラウドを構築する目的などで利用できる。

 Nimbula Directorが備える特徴の一つに、「徹底した自動化」が挙げられる。例えばインストールの際に、ユーザーは物理サーバー1台に光学メディアを使ってNimbula Directorを導入し、基本的な設定をするだけでよいという。

 設定後、ネットワーク上のほかの物理サーバーをPXEブート(ネットワークブート)で起動すると、Nimbula Directorが自動認識し、プッシュ方式で同OSのインストールや設定作業が進んでいく。インストールの自動化だけでなく、ワークロードの展開などまで含めた多くの作業を自動処理できることが米VMwareなどの競合製品に対する優位性であると同社は主張する。

 Nimbula Directorの動作環境は、仮想化支援機構であるIntel VTまたはAMD-VをサポートしたCPU(64ビットCPUで2コア以上を推奨)、最低1Gバイトのメモリー(4Gバイトを推奨)、最低100Gバイトのハードディスク空き容量(500G~1.5Tバイトを推奨)、PXEをサポートした100Mビット/秒以上のLANアダプタ(ギガビットイーサネットを推奨)などとなっている。

 現行のパブリックベータ版はDebian GNU/Linux 5.0をベースとしているが、正式版ではCentOSを採用したエディションも提供する予定としている。価格については、サーバーマシンの台数ではなく、クラウドの使用量(ワークロードが同時に利用可能なCPUコア数でカウント)に基づいた課金ライセンス方式を採用する予定という。