米Googleによる米ITA Softwareの買収に反対している旅行予約サイトの運営会社団体は米国時間2010年12月13日、団体に米Microsoftなど4社が加わったと発表した。

 Googleは7月1日、航空便情報ソフトウエアとサービスを手がけるITA Softwareを7億ドルの現金で買収することで合意したと発表。現在は米規制当局の承認を待っている。これに対し米Expedia、米KAYAK.com、米Sabre Holdings、米Farelogixの4社は10月、「オンライン旅行予約サービスがGoogleに独占される」と主張し反対団体「FairSearch.org」を結成、買収を阻止するよう米司法省に働きかけている(関連記事:Google、航空券情報ソフトのITAを7億ドルで買収へ)。

 FairSearch.orgに新たに参加したのはMicrosoftのほか、英国の価格比較サイトFoundem、フランスの旅行代理店協会Level...com、シンガポールのオンライン旅行代理店ZUJI。
 
 ITAソフトウエアは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター科学者が1996年に設立した会社。同社のソフトウエアは、フライトスケジュールや運航路線、運賃などの情報を管理し、これらの情報をまとめて検索できる。航空業界や旅行業界で広く採用されており、航空便オンライン予約の市場では65%のシェアを持っている。Microsoftの検索エンジン「Bing」にも採用されている。

 Googleはオンライン航空券事業を始める予定はないと説明しているが、FairSearch.orgは旅行予約サイトに訪れるユーザーのうち30%がGoogleの検索サービス経由でやってくるとし、「買収が成立すればGoogleはユーザーを自社の有利なように誘導できる」と主張している。

 米メディア(Wall Street Journal)によると、Microsoftの広報担当者は「この買収は技術革新を減速させ、旅行料金の上昇につながる。問題の認識を高めるためFairSearch.orgに参加した」と述べている。一方Googleの広報担当者は、「FoundemはGoogleの検索サービスで表示順位を意図的に下げられたと主張している企業。またMicrosoftは当社の最大の競合企業。我々のすべての買収案件に異を唱える」とコメントしている(関連記事:欧州委員会、競争法違反の疑いでGoogleの正式調査を開始)。

[発表資料(PDF書類)]