米Dellとストレージベンダーの米Compellent Technologiesは米国時間2010年12月13日、DellがCompellentを買収することで最終合意に達したことを発表した。買収額は約9億6000万ドルにのぼる見込みで、Compellentが保有している現金などを考慮すると実質買収金額は約8億2000万ドルとなる。2011年初頭に手続きを完了する見通し。

 Compellentはデータ管理機能を備えた仮想化ストレージ製品を手がける企業。Dellは、クラウドコンピューティング環境も含めた大規模企業向けストレージ事業の拡充を図る。買収完了後、DellはCompellentをストレージ部門における主軸事業の1つに据え、「PowerVault」「EqualLogic」「Dell/EMC」などと並んで同社ストレージ戦略の推進力にする。Compellentの運営拠点は引き続きミネソタ州イーデンプレーリーに置き、エンジニアリング、サポート、業務、販売の強化を図る。

 合意条件のもと、DellはCompellentの株式1株につき27.75ドルを現金で支払う。27.75ドルという金額は12月10日の終値(28.71ドル)を3%下回る。両社は12月9日に、事業合併に向けて協議中であることを明らかにしていたが、その段階でDellが提示した1株あたりの買収価格は前日の終値(33.65ドル)より18.3%低い27.50ドルだった(関連記事:Dell、ストレージベンダーCompellent買収を交渉中)。

 Dellは今年、ストレージベンダーの米3PAR買収で米Hewlett-Packard(HP)に破れた経緯がある。Dellが8月に3PAR買収の意向を表明すると、HPがより高い買収額を提示し、両社は値上げ合戦を繰り広げた。9月にHPが総額23億5000万ドルで3PARの合意を取り付け、Dellは買収を断念した(関連記事:HPとDellが3PAR買収で熱き戦い)。また、米IBMが米Netezzaを17億ドルで買収する計画を9月に明らかにし、米EMCも米Isilon Systemsを22億5000万ドルで買収することを11月に発表するなど、大手メーカー各社がストレージ分野の拡充を図っている。

[発表資料(Dellのプレスリリース)]
[発表資料(Compellentのプレスリリース)]