民間の内部告発サイト「WikiLeaks」を支持するグループのメンバーが、その活動の目的を明かしたと複数の欧米メディアが報じている。英BBC放送の2010年12月10日付電子版によると、「Anonymous(匿名)」と名乗る活動家グループは10日付でWebサイトに報道発表資料(PDF書類)を公開、その中で自らを「ハッカーではなく一般的なインターネット市民」と説明している。またAnonymousという組織については「非常に緩い、非中央集権型の命令系統で動いている」としている。

 WikiLeaksをめぐっては、同団体のサービスを停止した企業のWebサイトが相次いでDDoS(分散サービス妨害)攻撃を受けている。これまでに、米Amazon.com傘下のサーバーホスティングサービス、ドメイン管理サービスの米EveryDNS.net、オンライン決済サービスの米PayPalなどがWikiLeaksのサービスを停止した(関連記事:PayPal、内部告発サイト「WikiLeaks」のアカウントを停止

 これについてAnonymousは、WikiLeaksに危害を与える「陰険なやり方」と批判。「活動の目的は不公正な行為が行われたことの認識を高めること」としている。クレジットカード番号を盗んだり、企業の重要なコンピューターシステムを破壊するのが目的ではなく、企業の顔としてのWebサイトを狙っただけの象徴的行動と説明している。

 こうしたDDoS攻撃は、創設者のJulian Assange容疑者がロンドン警視庁に逮捕されてからエスカレートしているが、米Wall Street Journalは、これを受けて米政府当局がこのWikiLeaks問題に関して多面的な調査を開始したと報じている。また米連邦捜査局(FBI)も各国の警察機関と協力しており、FBIの捜査資料によってオランダ人少年の逮捕につながったとも伝えている。