「Google Message Continuity」の仕組み(出典:Google)
「Google Message Continuity」の仕組み(出典:Google)
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 米Googleは米国時間2010年12月9日、企業の電子メールシステムのバックアップサービス「Google Message Continuity」を発表した。米Microsoftの「Exchange Server」を使用したオンプレミス(自社運用)型メールシステムが停止した場合に、継続してメッセージをやり取りする手段を提供する。

 Google Message Continuityは、Exchange Serverシステムのメールボックスをクラウド上に複製し、GoogleのWebメール「Gmail」、カレンダー、連絡先の各機能と連携させる。Exchange Serverシステムが保守や障害で一時停止した場合でも、ユーザーはGmailにアクセスして、平常通りメールを送受信できる。また、GmailとExchange Serverシステムは頻繁に同期を行い、シームレスに切り替えることができる。

 オンプレミス型メールサーバーがトラブルなどで停止すると、メールを送受信できなくなるだけでなく、場合によってはデータを損失する危険性もある。Googleが引用した米Osterman Researchの調査によると、従業員500人規模の企業では、メールシステムの停止による損失は年間9万ドル近くにのぼるという。

 Googleは、今回のサービスにより、オンラインアプリケーション「Google Apps」への移行促進を図る。「ExchangeとGmailが常に同期しているので、Google Apps導入のためにメールデータを移動する必要がない」としている。

 Google Message Continuityは、企業向けメールセキュリティ/アーカイビング事業「Postini」のサービスとして運用する。年間利用料金は、1ユーザー当たり25ドルで、既存のPostini顧客は13ドル。Exchange Server 2003/2007に対応する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]