米MasterCard WorldwideのWebサイト「MasterCard.com」が米国時間2010年12月8日、一時的なトラフィック急増によるアクセス障害に陥った。一部サービスが中断したが、同日の米東部時間午後3時までに全サービスが復旧した。内部告発サイト「WikiLeaks」の活動を支持する組織のDoS(サービス拒否)攻撃と見られている。

 MasterCardはサイト復旧後に出した声明で「中枢の処理機能は損害を受けておらず、カード保持者のデータも危険にさらされていない。カード保持者は従来通り安全なカード決済を行うことができる」と述べている。

 米メディア各社の報道(New York TimesWall Street Journalなど)によると、MasterCardのほか、WikiLeaksの取引口座を停止した金融サービスが同様の攻撃を受けている。米PayPalとスイス郵便の銀行は12月6日にサイトが一時的にダウンした。これら攻撃に関して、「Anonymous」と名乗るグループが報復作戦だとして関与を示唆する声明を出しており、12月8日早朝には、MasterCardサイトに攻撃を仕掛けたことをTwitter上で明らかにしていた。

 WikiLeaks創設者のJulian Assange氏は、スウェーデンでの婦女暴行容疑により12月7日に英国ロンドンで逮捕された。スウェーデン検察庁のサイト、原告女性の弁護士のサイトもDoS攻撃を受けたという。

[発表資料(MasterCardのプレスリリース1)]
[発表資料(MasterCardのプレスリリース2)]