写真●ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」
写真●ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」
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 公正取引委員会は2010年12月8日午前、携帯電話向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「モバゲータウン」(写真)を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)の本社オフィス(東京都渋谷区)を立ち入り検査した。モバゲータウン上で動作するゲームソフトなどを開発する取引先の開発会社に対して、不当な圧力をかけた疑いがあるという。

 DeNAは開発会社に対し、競合であるグリーなどと契約を結ばないように働きかけた疑いがある。これは独占禁止法が禁じる不公正な取引方法(拘束条件付き取引)に当たる可能性がある。

 DeNAは「立ち入り検査があったのは事実。調査中なので詳細はコメントできない」(広報部)とする。

 公正取引委員会審査局は「一般論だが、この種の違反行為の調査には時間がかかる。仮に容疑が固まって排除措置命令などの行政処分を出す場合でも、1年近くかかる場合がある」と説明する。

 モバゲーとグリーはともにゲームを売り物にし、会員数や課金収入を競っている。モバゲーはヤフーと提携(関連記事)する一方で、グリーはスマートフォン開発者向けの「GREE Platform」をオープン化するなど、利用者・ソフト開発会社獲得の両面で競争が激化している。

[ディー・エヌ・エーが発表したプレスリリース]