米Amazon.comは現地時間2010年12月7日、電子書籍の試し読みができるWebアプリケーション「Kindle for the Web」を刷新し、数カ月以内に全文を読めるようにすると発表した。米Googleが同日に開催した「Google Chrome」のイベントで明らかにした。

 Kindle for the Webは、Amazonがこの9月にベータサービスとして始めたもの。電子書籍の最初の1章を試し読みできる。Goolgeが前日に電子書籍の販売を米国で開始し、全文を閲覧できるWebアプリ「Google eBooks Web Reader」を提供しており、Kindle for the Webも同様の機能を提供することになる(関連記事:Amazon、電子書籍をブラウザーで試し読みできる「Kindle for the Web」Google、電子書籍販売サービス「Google eBooks」を開始)。

 Amazonの電子書籍は、リーダー端末「Kindle」のほか、PC(WindowsとMacintosh)用のソフトウエア、iPhoneやiPad、Android端末などのモバイルアプリを使って購入できる。Kindle for the Webは、これらに加わる新たなプラットフォームになる。

 Kindle for the Webでは、ソフトウエアのインストールは不要になり、書籍ファイルをダウンロードする必要もない。HTML5などの最新のWeb標準技術に対応する。Googleが同日に発表したChrome OS搭載ノートパPCにも対応するとAmazonは説明している。

 Amazonは、Kindle for the Webにおいても電子書籍のアフィリエイトプログラムを展開すると発表した。9月に始めたベータ版では、埋め込みコードを用意し、ユーザーが自分のWebサイトに張り付けて書籍を紹介できるようにしている。アフィリエイト「Amazon Associates Program」とも連携し、同プログラムのメンバーは書籍の購入に応じて報酬を得られる。Amazonは、これらの仕組みを書店にも利用してもらいたい考えで、電子書籍の販路拡大を目指す。

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