Mashup Awards 6の最優秀賞を受賞した「EmiriSystem」の作者上田哲郎氏(左から3番目)と、優秀賞受章者
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EmiriSystemの画面(カレンダー表示)
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EmiriSystemの画面(詳細表示)
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スマートフォン向け陣取り型コミュニケーションサービス「テリトリ」
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Twitterアカウントでチャットできるサービス「Twiccha」
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登録した相手の居場所がわかる「安心レーダー」
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フックに洋服を掛けるだけで撮影してアップする「Tag Tansu」
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Mashup Awards 6の受賞者。テーマ賞や協力企業賞など全部で約80の賞が設定された
Mashup Awards 6の受賞者。テーマ賞や協力企業賞など全部で約80の賞が設定された
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 リクルートは2010年12月4日、「Mashup Awards 6」の最終審査会と表彰式を開催した。Web APIを使って複数のWebサービスを組み合わせる手法「マッシュアップ」で開発したアプリケーションのコンテストで、今回が6回目。最優秀賞には、育児日記の作成・共有サービス「EmiriSystem」が選ばれた。

 今回のMashup Awards 6への応募総数は544作品。前回の約1.5倍で、過去最多となった。

 最優秀賞に選ばれたEmiriSystemは、育児の日記や写真、動画を投稿したり友人同士で共有したりするサービスだ。開発したのは「Emiriパパ」こと上田哲郎氏。「2001年に上の娘が生まれたときから今日まで、すべての写真を撮ってこのサイトにアップしてある親バカのシステム」(上田氏)。上田氏がこれまでにアップした写真は約12万枚、約870Gバイトに上るという。また上田氏以外にも世界23カ国に約3300人のユーザーがおり、合計で写真約370万枚、動画約6万本がアップされている。

 パソコンだけでなく、スマートフォンやテレビ、デジタルフォトフレームなど、様々なデバイスで写真を閲覧できる。PicasaなどのWebサービスと写真を同期したり、PDF形式に変換して印刷したり、他のブログに投稿したり、ネット上の書籍印刷サービスに写真を出力したりと、個人開発の域を超えた豊富な機能を備える。

 「『親バカの力は、ここまでマッシュアップを進めるのか』と、審査員の間でも圧倒的な支持を得たサービスだ」。審査員の一人であるグーグルの藤井彰人 エンタープライズ部門プロダクトマーケティングマネージャーは、受賞の理由をこう語った。「単にいろいろなWeb APIを組み合わせたのではなく、自分の必要に従って練り上げられており、完成度が高い。いろいろな可能性を持つプラットフォームになるのではないか」。

 上田氏は「感無量。家族に感謝したい。EmiriSystemのAPIも公開しているので、いつかFlickrのように様々なネットサービスに組み込まれるような存在になればうれしい」と、受賞の喜びを語った。

 授賞式に先立つ最終審査会ではEmiriSystemを含む5作品がデモを披露した。最優秀賞を逃したものの優秀賞を獲得したのは以下の4作品だ。

 テリトリチームの「テリトリ」はGPSを活用したスマートフォン向け陣取りゲーム型コミュニケーションサービス。クロスフェーダーの「Twiccha」は、Twitterアカウントがあれば登録不要のWebチャットサービスで、NHKやYahoo!のニュースを見ながら会話できる。面白法人カヤックの「安心レーダー」は、登録した相手の居場所を、いつでも知ることができるiPhoneアプリ。

 tsuka_pan&sgssの「Tag Tansu」は、フックに洋服を掛けるだけで、手軽に洋服を撮影・分類してネットにアップロードし、自分だけのオンライン洋服データベースを作ることができるタンスだ。扉の内側にタッチパネルディスプレイとWebカメラが、洋服を掛けるフックにRFIDが仕込んである。

 今回は最優秀賞、優秀賞のほかにも、Mashup Awards 6のリーディングパートナーが選ぶテーマ賞や、メディアスポンサー賞、協力企業賞、特別審査員賞などあわせて約80の賞が設けられた。

 特別審査員として経済評論家の勝間和代氏と歌手の広瀬香美氏、ブロガーの小飼弾氏の3人が登壇し、受章者に賞状や賞品を手渡した。勝間氏は「勝間和代の人生戦略賞」にソーシャルTODOサービス「YARUKIDAS(ヤルキダス)」を選出。広瀬香美氏はSmile music Application賞として、いとっち氏のWebデスクトップ環境「gadgetOS」を選んだ。小飼弾氏はオンラインコード共有ツール「Codetype」に404 API Not Found 賞を授与した。

 ITproもメディアスポンサーとしてA3賞を審査。Twitterのフォロワーに選んでもらった曲で目覚める目覚まし時計Androidアプリ「wakeme.me」を選出した。

 主幹事を務めたリクルート メディアテクノロジーラボ局長の木村稔氏は、「応募作品の傾向が変わっており、非常に身近なサービスやアプリが多くなった」と総評を述べた。「Webサービスは日常生活にどんどん溶け込んでいる。Androidなどのスマートフォンを使うなど、気軽に使えるサービスが増えている。今後も生活をより良いものにしていくネットサービスを盛り上げていきたい」。