音声コンテンツの配信サービスを手掛けるオトバンクは2010年12月2日、「オーディオブックアワード2010」を開催、書籍や講演の音声を携帯音楽プレーヤーなどで楽しむ、“オーディオブック”市場の成長をアピールした。
授賞式に先立ちあいさつしたオトバンク社長の上田渉氏は、「普段本を読まない人にも、書籍というコンテンツに触れる機会を増やしたい」と強調。本を読まない層に届いた成功例として、同社が7月に発売、すでに20万ダウンロードを突破したというiPhoneアプリ「朗読少女」(アニメの少女が古典を読み上げる)を挙げた。
高齢者にとって、耳から聞けるオーディオブックが書籍の楽しみを広げるという意義もアピール。同社が運営するオーディオブックのポータルサイト「FeBe」利用者を年齢別構成比で見ると、55歳以上のオーディオブック利用者が今年下半期には全体の30%になるなど増加傾向にあるという。
オーディオブックアワードは今年が2回目。約5万人という「FeBe」利用者が今年読んだオーディオブックの中から気に入った3冊までを投票、支持が多かったオーディオブックに賞を贈るもの。最も得票数の高かった「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」は、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海/ダイヤモンド社)が受賞した。同書の朗読はAKB48の仲谷明香さんが担当。会場には本人が登壇し、同書の一部の朗読を披露した。
ほかの受賞作は以下の通り。
<ビジネス書部門大賞>
志高く 孫正義正伝 完全版 (井上 篤夫/実業之日本社)
<文芸書部門大賞>
イン・ザ・プール(奥田 英朗/文藝春秋)
<優秀作品賞>
池袋ウエストゲートパーク(石田衣良/文藝春秋)
<審査員特別賞>
超訳 ニーチェの言葉(白取 春彦/ディスカヴァー・トゥエンティワン)