eBayによる買収に沸くMilo.comのホームページ
eBayによる買収に沸くMilo.comのホームページ
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 ネットオークション大手の米eBayは現地時間2010年12月2日、地域小売店の商品検索サービスの新興企業である米Milo.comを買収したと発表した。

 Milo.comは、小売店の在庫管理システムからデータを収集し、在庫状況や価格情報をリアルタイムに提供するサービスを行っている。ユーザーは、同社のWebサイトやモバイルアプリケーションで商品の在庫状況を見たり、価格を比較したりして、どの店に行けば希望の商品が安く購入できるか確認できる。「実店舗を持つ地域小売業者とネットユーザーを結びつけて、米Amazon.comのような大手ネット通販に対抗する」というのがMilo.comのうたい文句で、同社の協力小売業者は現在140社、店舗数は全米5万店に及んでいる。

 eBayは、Milo.comのサービスを自社のパソコン向けサービスやモバイルサービスに採り入れる計画で、商品情報を拡充する。eBay最高技術責任者(CTO)のMark Carges氏は、「より多くの商品情報を消費者に提供できるようになり、地域の小売店やeBayの小売業者はより多くの消費者にリーチできるようになる」述べている。eBayは今後、実店舗を持つ提携小売事業者にもMilo.comのシステムを提供していく。また、iPhone向けバーコードスキャンアプリ「RedLaser」にもMilo.comのサービスを導入する。

 買収金額は明らかにしていないが、米メディア(Wall Street Journal)は7500万ドルと報じている。Carges氏によると、この買収の目的は、オンラインとオフラインの垣根をなくすこと。消費者は、ネットで商品情報を入手して実店舗で買い物をしたり、実店舗で衣服を試着してネットで購入したりする。そうした消費者の実態に合わせたサービスを提供していくという。将来は、eBayで購入手続きを行い、店舗で品物を受け取るといったサービス提供も視野に入れている。

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