米Wall Street Journal(WSJ)は現地時間2010年12月1日付の電子版で、米Googleが年内に電子書籍のオンライン販売サービス「Google Editions」を始めると報じた。

 Google Editionsは当初、今夏にも北米で始まる予定だった。しかし、技術的、および法的な問題があったため遅れていたという。WSJによれば、Googleの製品管理ディレクターScott Dougall氏が「米国内では年内に、米国外では2011年第1四半期に開始することが決まった」と話したという(関連記事:グーグルも電子書籍参入へ、2011年初めに国内でサービス開始)。

 電子書籍に対するGoogleのアプローチは、自社でも販売するが、独立系書店のWebサイトにも書籍コンテンツを供給するというもの。そのためにGoogleはこれまで、米国小売書店協会と協議していた。WSJは、独立系書店が最近になって業界団体から連絡を受けており、また複数の出版社がGoogleとコンテンツの受け渡しを始めているとしている。

 Google Editionsでは、Googleや複数のオンライン書店から直接書籍を購入できる。購入したコンテンツはGoogleのアカウントにひも付けられたオンラインライブラリーで管理できる。PCやスマートフォン、タブレットなど、ほぼすべての端末からアクセスできる。米Amazon.comの「Kindle」のような、独自の端末、独自の書店で展開するというアプローチとは対照的である。

 なお、電子書籍の収益分配率や参加パートナーの数などの詳細は不明である。WSJは、「米国小売書店協会によると200以上の独立系書店がGoogleと契約できることになっている」と伝えている。