米Gartnerは米国時間2010年11月30日、2011~2015年のIT分野で起きるであろう大きな変化を予測し、概要を発表した。それによると、企業においてITと業績との関連性が高まり、2015年にはITがCIO(最高情報責任者)の報酬を決める主要因になるという。また、先進諸国の重要なITインフラに大規模なオンライン攻撃があり、それが世界経済の混乱要因になると予想する。

 Gartnerでは、今後も企業にはコスト抑制の圧力がかかり、成長機会も限られ、リスクへの耐性が低い状態が続くと見ている。そのため、IT分野は関係各方面から厳しい監視の目にさらされる。G20諸国ではITの社会インフラとしての重要性が今以上に増すため、金融システムや化学プラント、原子力発電所のITシステムや携帯電話網などに対する攻撃は、米国で起きた同時多発テロと同様の深刻な問題になる。

 このほかGartnerは、企業が人員を削減する代わりにIT投資を増やすことから、2015年のIT支出額は現在に比べ1人当たり60%増えると予測している。各種ツールの導入と作業自動化の効果でIT関連サービスの就業時間は今より25%短くなる。またクラウドコンピューティングの普及で、非IT系企業もそれぞれの得意分野でさまざまなクラウド対応サービスを提供するようになるという。

 企業では従業員個人のノートパソコンやスマートフォンで業務アプリケーションを動かす場面が増え、2014年には90%の企業がこうした運用形態を採用する。タブレット端末の職場導入率は2013年には80%になると見ている。

[発表資料へ]