米New York Timesは米国時間2010年11月26日付の電子版で、米国土安全保障省(DHS)の入国・税関管理局(ICE)が、映画・音楽の不正コピーに関与していると思われる多数のファイル共有サイトを閉鎖させたと報じた。対象となったのは「torrent-finder.com」「onsmash.com」「rapgodfathers.com」「dajaz1.com」など。BitTorrent関連ブログのTorrentFreakによると、70カ所以上のWebサイトが使用できなくなったという。

 11月26日午前の時点で対象サイトにアクセスしたところ、「当ドメインはICEの管理下にある」という警告文が表示された。ICEは、米連邦地方裁判所の発行した差し押さえ令状に基づいた対応としている。

 ICEは、2010年6月にもオンライン海賊行為の撲滅活動「Operation in Our Sites」で9カ所のWebサイトを閉鎖させており、その際も同様の警告文を掲載した。ただしICEの広報担当者Cori W. Bassett氏は、New York Times紙に対して今回の措置がOperation in Our Sitesによるものかについてコメントしていない。New York Times紙は米国レコード工業会(RIAA)からも回答を得られなかった。

 なお米連邦議会の上院委員会は11月第3週、海賊行為を取り締まる法案「Combating Online Infringements and Counterfeits Act」を承認した。同法案は、議会での審議に向けて手続きが進行中だ。これに対し、米国の非営利団体Electronic Frontier Foundation(EFF:電子フロンティア財団)などは、「法律の適用範囲が広すぎて、ファイル共有と無関係なWebサイトも影響を受ける恐れがある」と批判している。